「キルト・プロジェクト」のお手伝いをして

1.全国での展示も終了間近
2012年12月30日。この日は、津波で壊滅的被害を受けた岩手県沿岸部の大槌町でキルト展が行われていた。国内での展示も残り2カ所。リンダ・オオハマさんの提唱でカナダ全土から届いたキッズメッセージ・キルトによる復興支援プロジェクトも国内での最終局面を迎えようとしていた。前年6月にキルトが日本に届いてから1年半。目を閉じるといろいろな情景がよみがえってくる。
2.キルトが届いて
2011年6月25日。カナダに住む友人のノーム・イブキさんから1通のメールが届いた。「被災地の子どもたちを応援しようとカナダの子どもたちがキルトにメッセージを描いた。そのキルトを持ってリンダさんという人が被災地の学校を訪問する。仙台でお手伝いできる人を探してほしい。日曜日までに」。その日は日本時間で土曜日。時間的余裕は1日しかなかった。
当時私の住まいは福島県郡山市。しかも1カ月後に定年退職を控え、残務整理で連日休日出勤している身 ...