福田 恵子

(ふくだ・けいこ)

大分県出身。国際基督教大学を卒業後、東京の情報誌出版社に勤務。1992年単身渡米。日本語のコミュニティー誌の編集長を 11年。2003年フリーランスとなり、人物取材を中心に、日米の雑誌に執筆。共著書に「日本に生まれて」(阪急コミュニケーションズ刊)がある。

(2008年2月 更新)

community ja

日本の社会科教師と巡ったロサンゼルスの日系コミュニティー

日本の人は日系を知らない

アメリカに渡って28年になる。その間、ライターという仕事柄、多くの日系アメリカ人に取材をしてきた。また、自分と同じ境遇の人がなぜアメリカに来ようと思ったか、そして実現するためにその人の背中を押したのは何なのかということにも興味があり、アメリカに暮らす大勢の新一世にも話を聞いた。そして、いつも思う。日本から来た人は日系人のことをあまり知らない。日系人が戦時中に強制収容所に送り込まれたこと、戦後、ゼロからの再出発を強いられたこと。アメリカで生活している日本人でさえそうなのだ。アメリカに観光や出張で来る程度の日本国内に暮らす日本人は、ほとんど日系人について知らない。だからこそ、私はこのDiscover Nikkeiという、世界中どこからでも見られるオンラインの媒体で、アメリカの日系人や新一世について伝えてきたつもりだ。先日、自分の仕事が報われたと思えることがあった ...

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community ja

創立110周年迎えた北米沖縄県人会 — 全米各地や沖縄から人々が集う

ウチナーンチュの誇り

2019年8月31日、レイバーデイ連休の初日、ガーデナ市のケン・ナカオカ・コミュニティー・センターで、約200名の参加者を集めて、北米沖縄県人会(OAA)の110周年式典が盛大に開催された。この式典は本来であれば、翌9月1日に隣接するレドンドビーチ市のパフォーミングアーツセンターで予定されていた、沖縄出身のバンドBEGINの公演前夜祭という位置付けだった。しかし、残念なことにビザが間に合わず、BEGINの公演は延期となった。110周年に花を添えるイベントはなくなったが、記念式典にはOAAの会員だけでなく、ラスベガス、シカゴ、アリゾナ、サンディエゴと全米各地の沖縄県人会の代表者、さらには遠く沖縄県からも沖縄県文化スポーツ統括監の山城貴子さん、沖縄県議会北米派遣団団長で沖縄県議会の赤嶺昇副議長を始め ...

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オレンジ郡で盛業中の本格的蕎麦屋、そして沖縄料理の「みなみ」

ビール会社退職後に起業、蕎麦屋を開店した理由

ここ数年、南カリフォルニアの日本食地図はますます濃密になっている。1960年代に上陸した寿司、その後の天ぷら、しゃぶしゃぶ、最近は居酒屋、ラーメン、うどん、焼き鳥とアメリカ人が知る日本食の種類は益々多彩になりつつある。そして、蕎麦。20年ほど前にロサンゼルス南郊のガーデナに開店したお多福という蕎麦店に人気が集まり、数年前にはタスティンに田中家が誕生し、蕎麦の知名度は深く静かに浸透しているのが蕎麦だ。

その蕎麦ブームを一気に高みにまで押し上げる可能性を感じたのが、オレンジ郡のラグナヒルズに2018年秋に開店した蕎麦居酒屋みなみだ。サウスベイにまで伝わってきた「みなみの蕎麦は美味しい」という噂を頼りに同店を訪れたのは2019年2月だった。天井が高くロフト風のモダンなインテリア。伝統的な蕎麦屋とはかけ離れた雰囲気だが、後でオーナーの服部さんに聞いたところによると、「蕎麦を打つ工場のイメージ ...

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同時多発テロ事件を契機に米移住 — ロサンゼルス・ドジャースの佐藤弥生さん

ハローキティ企画で球場に新たなファン呼び込む 

日本人選手の道を開いた野茂英雄投手のデビュー以降、メジャーリーグの後進たちの活躍は目覚ましい。2016年から2019年現在のシーズンまで、ロサンゼルス・ドジャースには前田健太投手が在籍。野茂投手から前田投手に至る間にも、石井一久、木田優夫、斎藤隆、黒田博樹各投手がドジャースタジアムをホームに活躍し、現在はシカゴ・カブスのダルビッシュ有投手も2017年に在籍していた。しかし、選手たちに当たるスポットライトの陰で、日本人のスタッフが彼らを支えてきたことはあまり知られていない。その一人が、同球団のグローバルパートナーシップ・マネージャーの佐藤弥生さんだ。

現在は法人営業に相当する部署のマネージャーを務める弥生さんだが、2003年にドジャースで働き始めた当初は、アジアからの選手をスカウトするアジア部に配属された。2003年といえば、野茂、石井両投手が先発ローテーションにいた時期と重なる ...

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俳優の池田直之さん: 渡米からアクターズアワード受賞まで

日本では英語教師を13年、自分がイキイキできるアメリカへ

2019年3月、ビバリーヒルズで開かれたイベントで、侍ショーの進行役を務めていた男性に興味をひかれた。話を聞くと日本では学校の教師をしていたそうだ。「俳優になるために10年前にアメリカに来た」と教えてくれた。

彼の名前は池田直之さん。2019年、「アナザー・イエスタディ」でアクターズアワードの最優秀助演男優賞を受賞。10年で出演した作品は映画、ミュージックビデオ、コマーシャルを含めると60作以上になると言う。教師を辞めて渡ったアメリカでどのようにしてチャンスをつかんだのだろうか?

初めてアメリカに来たのは大学卒業後、フロリダのディズニーワールドでの研修プログラムへの参加だった。1年間、園内のレストランで英語を使って働いた。帰国後は出身地である愛知県の中高一貫校の英語教師になった。さらに名古屋市内の私立高校へ移り、鹿児島の学校でも中学と高校で英語を教えた。教師としての経験を13年ほど積んだ時に突然躓いた ...

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