アルベルト・松本

(あるべると・まつもと)

アルゼンチン日系二世。1990年、国費留学生として来日。横浜国大で法律の修士号取得。97年に渉外法務翻訳を専門にする会社を設立。横浜や東京地裁・家裁の法廷通訳員、NHKの放送通訳でもある。JICA日系研修員のオリエンテーション講師(日本人の移民史、日本の教育制度を担当)。神奈川大学と静岡県立大学等でスペイン語講師。外国人相談員の多文化共生講座等の講師。「所得税」と「在留資格と帰化」に対する本をスペイン語で出版。日本語では「アルゼンチンを知るための54章」(明石書店)、「30日で話せるスペイン語会話」(ナツメ社)等を出版。http://www.ideamatsu.com

(2013年6月 更新)

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南米の日系人、日本のラティーノ日系人

日系社会とグローバルデジタル時代の日系ミレニアル世代

1980年代から2000年代初めに生まれた世代は、「ミレニアル世代millennials」と呼ばれている。日本のバブル時代(1986年12月〜91年2月)に生まれ育った子は間違いなくミレニアル世代にあたるが、加えて2017年の今、高校または大学を卒業する人もそのカテゴリーに入る。彼らは生まれながらの世代である。こうした新しい世代の若者をどのようにマネジメントするか、社会または会社に役立つ人材として育成するか、またどのように彼らのニーズを把握してその市場を攻略するかは企業にとって大きな課題である。企業は労働人材および市場としての、行政は納税者としての、政治は有権者としての、ミレニアル世代にどうアピールすべきか模索している。2000年以降、先進国を始め社会的にミレニアル世代が注目されるようになり、大学や民間シンクタンクでも数多くの研究が行われている。

私も、中南米の若手日系人が留学や研修で来日するたびに、ミレニアル世代を観察してきた。日本のような先進国と、ラテンアメリカのような新興国や途上国の若者とは違う部分は当然あるのだが ...

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南米の日系人、日本のラティーノ日系人

日系人とスポーツ:誇れる試練と連携

2016年のリオ五輪では、地元日系社会は様々な方法で日本をサポートした。ブラジルを訪れた数千人の日本人観戦者の医療支援1やボランティア案内などだけではなく、各競技では日本人選手を応援し、女子マラソンでは「応援こいのぼり」まで準備したのである。また裏方としても、公式マスコット「ビニシウスとトム」を製作したのは日系人のルシアナ・エグチで、聖火リレーのトーチをデザインしたのも日系人のホーミー・ハヤシである。一方、五輪選手としても二人のブラジル日系人が銅メダルを手にした。アルトゥーロ・オヤカワ・マリアーノ選手が体操の男子種目別床運動で、そしてポリアナ・オキモト選手が水泳のオープンウオーター女子10キロで、この功績を残した。一部の競技では ...

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南米の日系人、日本のラティーノ日系人

アジアからの留学生の勢い、日本の中小企業海外進出に貢献

昨年9月にかながわ国際交流財団から、これまで南米出身の日系留学生の研修をしてきたこの私に、アジア系留学生のセミナーに講師して参加してほしいという依頼がきた。驚きでもあったが、自分もアジア系留学生のことをもっと知りたいという好奇心にかられて、快く引き受けた。神奈川県内の専門学校と日本語学校、ベトナム協会が連携した企画で、諸先輩の体験発表や法律関係のアドバイス講義(筆者が担当)、関係団体による就職支援コーナーが設けられた。午前と午後の2回にかけて行われた研修では、在学している学校のサポートもあり、数百人単位の留学生が次から次へと各講習会に参加した。研修は日本語だけでなく、ベトナム語、ネパール語でも行なわれた。参加した留学生の多くは、現在日本語を学んでいる者、または既に日本語コースを終えて専門学校に在籍している者だったので、日本語の理解力はかなり高く、日本での就職を希望していた。

法務省入国管理局の2015年12月末の統計によると、現在日本に在留している外国人は220万人で、そのうち183万人がアジア諸国出身 ...

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南米の日系人、日本のラティーノ日系人

南米日系社会の日本語教育

前回のコラムで、世界には400万人が日本語を学習していると指摘したが、海外の日系コミュニティーだけ見るとどれぐらいの受講生がいるのであろうか。国際交流財団の2012年の報告書によると、南米には443の日本語教育機関があり1,652人の講師が32,968人に教えているとある。これは世界の学習者の1%にも及ばない。南米の日系人受講者の数は更に少なく、南米全体の半分かそれ以下だと推察できる。

中南米には約160万人の日系人がいるが、世代交代もかなり進み、日本語への関心は以前ほど高くない。日本語教室に通っていても、ほとんどが週1−2回程度で、小学校から継続的に勉強し、中学レベルの日本語を学んでいる日系人子弟は非常に少ない。

とはいえ、パラグアイやボリビアの日本人移住地や日系人が集住している都市部では、コミュニティーによる日本語学校が整備されている。これらの地域では、毎日日本語を勉強している学生も多い ...

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南米の日系人、日本のラティーノ日系人

海外の日本語教育

近年、日本のアニメやマンガ、和食ブーム等によって日本語を学習する人が海外でも増えており、そのことがきっかけで来日する外国人も増加している。

国際交流基金 (Japan Foundation)が2012年に行った調査1によると、世界には約400万人が16,000の機関で63,000人の教師のもとで日本語を学んでいるという。この30年間で、学習者数は3倍に、教師数は6倍に増えており、主に東南アジアや中国で上昇している(台湾や韓国は、近年減少傾向にある)。COOL JAPANを代表するポップカルチャー関連や日本の文化的要素への関心から、日本語を学ぶ人が多く、逆に将来、日系企業に就職するためとか、日本に留学するといった目標を持っている人はそう多くはない ...

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