移住、ニッケイを知る手掛かりに
移住や移民についての資料を展示しているユニークな存在として知られる「JICA横浜・海外移住資料館」が、このほどリニューアルオープンした。
明治時代から北米、南米に移住した移民の歴史をはじめ、移住先での仕事や生活の実態を紹介した展示の基本はこれまでと同じだが、映像や動画などを利用することでよりわかりやすくなり、また世代を重ねてきた「日系(ニッケイ)」社会のひろがりを考えさせる展示になっている。
横浜港は、明治維新による開国後、海外に開かれた最大の拠点としてそこから多くの日本人が北米、南米などへと向かった移民にゆかりの深い港だ。いまも国際客船のターミナルになっている大さん橋があり、その西には観光スポットの赤レンガ倉庫が見えるが、そのさらに向こうに、海外移住資料館の入るJICA横浜センターのビルがある。
JICA(Japan International Cooperation Agency)は、「独立行政法人国際協力機構法(平成14年)に基づき設立された独立行政法人で、開発途上地域等の経済及び社会の開発若しくは復興又は経済の安定に寄与することを通じて、国際協力の促進並びに我が国及び国際経済社会の健全な発展に資することを目的とする」と、自ら謳っている。
JICAの前身組織の国際協力事業団は、戦後、主に中南米への移住事業に携わっていたこともあり、…