Ryusuke Kawai

ジャーナリスト。慶應大学法学部卒。毎日新聞記者などを経て独立、ノンフィクションを中心に執筆。『大和コロニー「フロリダに日本を残した男たち」』(旬報社)、『「十九の春」を探して』、『122対0の青春』(共に講談社)など著書多数。日系2世の作家、ジョン・オカダ著『No-No Boy』の翻訳を旬報社より出版。『大和コロニー』は、「Yamato Colony: The Pioneers Who Brought Japan to Florida」として、University Press of Floridaより英語版が出版。

(2018年3月 更新)

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「米國日系人百年史」を読み直す~パイオニアたちの記録をたどって

第9回 「中部加州」の日系人

第8回「南部加州の日系人 ~ その4」を読む >>

各州別に日系人の足跡を紹介している米國日系人百年史を、これまでカリフォルニア州のページから眺めてきた。北部加州(北カリフォルニア)で1回南部加州(南カリフォルニア)は4回にわたって紹介した。カリフォルニアの最後は、フレスノ(Fresno)をはじめとする中部加州(Central California)の日系人についてのおよそ60ページを読んでいきたい。

百年史は各地の地理についても詳しく記している。中部加州については、「中部加州とは、(略)コーストレンジ沿岸山脈とシエラネバダ山脈の中間に位置し東西約五十哩 ...

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「米國日系人百年史」を読み直す~パイオニアたちの記録をたどって

第8回 南部加州の日系人~その4

第7回 「南部加州の日系人 ~ その3」を読む >>

1000人以上にのぼる個人史が集積

米國日系人百年史は、第二篇で各州における日系人の足跡を追っていて、そのなかでカリフォルニア州が約半分を占めている。一方の足跡については各州、各地域ともページのほとんどを数多くの日系人の個人と一部団体の紹介で埋めている。

その数は、1000人以上にのぼる。実際にどのような形でこうした情報を集めたのかは不明だが、編集責任者の加藤新一氏が直接インタビューなどに走り回ったことは記録に残っている。

南カリフォルニアでも100ページほどをこうした個人などの紹介にあてている。そのスタイルはほぼ決まっている。

「職業など肩書き」、「氏名(日本語とローマ字表記)」、「日本での出身県」、「アメリカでの住所」が列記される。そして、本文では、出身地と生年月日と両親の名前と家族構成からはじまり ...

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第7回 南部加州の日系人~その3

第6回 「南部加州の日系人 ~ その2」を読む >>

 ロサンゼルスに登場した幾種類もの日系人団体

 
ロサンゼルスに移住した日本人が排日の圧力など抗し、自らの権利を擁護するために「南加中央日本人会」を組織し戦争開始までその役割を果たしたことを前回紹介した。そのほか、ロサンゼルスには戦前から戦後を通じて、あるいは戦後になって経済、教育、宗教などさまざまな領域で日系人による各種団体が誕生し活動してきた。

「百年史」が細かくまとめているこうした団体の役割と活動について以下紹介したい。

その代表格「南加日系人商業会議所」は、戦後4年の1949年9月に発足がきまり、9月13日に都ホテルで第1回の理事会が開かれた。

「本会議所は優秀なる生産品、技術及びサービスを奨励し、よき市民を育成することによって南加に居住する全日系人の経済的社会的に並に一般的な福祉を増進するを以て主要な目的とする(第二条 ...

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第6回 南部加州の日系人~その2

第5回 「南部加州の日系人 ~ その1」を読む >>

アメリカにわたった日本人は、出身地や宗教、職業などを基準として多くの団体を組織していくが、その一つにロサンゼルスでは「南加中央日本人会」という組織が早くに誕生、さまざまな分野で戦争直前まで活動をつづけた。

「米國日系人百年史」第二章の「南部加州」では「第三節 南加中央日会の足跡」として、日系移民がまとまって相互扶助や権利の向上、そして生計の安定などのために奮闘してきた歴史をまとめている。

そのなかからおもだった動きを紹介したい。

南加中央日本人会は、1915年9月1日に発足。「同会は一九一一年度から在米日本人会代表者会へ代表者を送り、羅府日本人会を中心に漸く激化してきた加州排日土地法対策その他諸般の問題処理に当った ...

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「米國日系人百年史」を読み直す~パイオニアたちの記録をたどって

第5回 南部加州の日系人 ~ その1

第4回「北部加州の日系人」を読む >>

「米國日系人百年史」(1961年)を編集した新日米新聞社がロサンゼルスを拠点としたということもあるだろうが、ロサンゼルスを中心とする本書の第二章「南部加州 (SO.CALIFORNIA)」は、全1431ページのうち440ページにもわたっている。

なぜこれだけの分量になるかというと、そのほとんどが紳士録的なページで、南カリフォルニアで事業に成功した現地での著名人をはじめさまざまざな分野で活躍してきた日本人、日系人についての紹介にあてられているからだ。

そのなかには、本書を出版した新日米新聞社の社長であり弁護士の城戸三郎も含まれている。また、短命に終わった新日米新聞社についても、設立に至る経緯や事業内容などについて2ページにわたって紹介されている。

同社の社屋は、ロサンゼルスの「345 E ...

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