日系移民史百科事典
日本人の海外移住、1868年―1998年

日本人の海外移住の背景
日本人の海外移民は、 王政復古(1868年)とともに始まりました。世界各地を結びつける国際経済、労働市場、交通網の一部となった日本は、経済混乱とそれに伴う急速な社会変化に見舞われました。特に農業形態や経済構造が変わっていくなかで、農村部を中心に余剰労働力及び家庭経済が貧困化する状況が生まれ、国内及び海外へ移動する出稼ぎ労働者が増加したのです。
海外移住の始まり
1868年、横浜在住アメリカ商人ユージン・バンリードは、148人の日本人労働者をハワイの砂糖プランテーションへ、そのほか40人をグアムへ送りました。この出稼ぎ労働者の一団は一般に「元年者」として知られ、政府の許可や旅券を受けることなく日本を出国しました。近代日本最初の海外「移民」だった ...