日系移民史百科事典
日系人が50以上の国で生活しているのをご存知ですか?ここでは、日系人の経験を各国別にまとめた移民略史をご紹介します。
このセクションの資料は『アメリカ大陸日系人百科事典―写真と絵で見る日系人の歴史』 (アケミ キクムラ=ヤノ編、明石書店, 2002)から抜粋・追加したものです。*英語版:Encyclopedia of Japanese Descendants in the Americas: An Illustrated History of the Nikkei, Akemi Kikumura-Yano, ed. (Walnut Creek, CA: AltaMira, 2002).
このシリーズのストーリー
日系ブラジル移民略史
2014年3月21日 • アケミ・キクムラ・ヤノ
日本人移民が初めてブラジルに到着したのは1908年のことでした。この時やって来た家族は、低賃金で働く労働者を求めていた農園経営者と結んだ契約のもとで、コーヒー農園で働きました。1924年に合衆国が日本人移民に対してその門戸を閉ざすと、日本政府は日本人のブラジルへの移民を促進しました。 でも、農園での生活はとても耐えられるようなものではなかったので、ほとんどの日本人は農園を去って、都会や郊外、または新しい日本人農業移住地へ移りました。サンパウロ市とその郊外が主な日本人移民の…
日系ボリビア移民略史
2014年3月14日 • アケミ・キクムラ・ヤノ
ボリビアに最初の日本人移住者が入国したのは1899年でした。それから約100年の歴史を刻んだボリビアの日系社会には、現在2つの異なる日系人 グループが存在しています。 その1つのグループは第二次世界大戦前に移住した日本人の子孫たちで、もう1つのグループは戦後に移住した日本人とその子孫た ちです。しかしいずれのグループからも、弁護士や医者などの専門職に就く日系人が誕生しています。 戦前の日本人移民 第二次世界大戦前にボリビアに入国した日本人の多くは、出稼ぎ労働者とし…
日系アルゼンチン移民略史
2014年3月7日 • アケミ・キクムラ・ヤノ
日系アルゼンチン人の歴史は1908年から1909年にかけて、沖縄と鹿児島から移民が到着したときに始まりました。 アルゼンチンではこの2県出身の日系人が多くいます。初めてアルゼンチンに着いた日本人はブラジル経由で入国しました。その後も、近隣の国へまず入ってからアルゼンチンへ入国する日本人移民が多かったのです。 戦前には、日系アルゼンチン人の大部分は都市部で小さな商売を営んでいました。特にブエノスアイレスでドライクリーニング業とカフェを営む人が多かったのですが、ほかに、奉…
日本人の海外移住、1868年―1998年
2014年2月28日 • 東 栄一郎
日本人の海外移住の背景日本人の海外移民は、 王政復古(1868年)とともに始まりました。世界各地を結びつける国際経済、労働市場、交通網の一部となった日本は、経済混乱とそれに伴う急速な社会変化に見舞われました。特に農業形態や経済構造が変わっていくなかで、農村部を中心に余剰労働力及び家庭経済が貧困化する状況が生まれ、国内及び海外へ移動する出稼ぎ労働者が増加したのです。 海外移住の始まり 1868年、横浜在住アメリカ商人ユージン・バンリードは、148人の日本人労働者をハワ…