ディスカバー・ニッケイ

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日系(ニッケイ)—をめぐって


2022年2月11日 - 2024年3月22日

日系ってなんだろう。日系にかかわる人物、歴史、書物、映画、音楽など「日系」をめぐるさまざまな話題を、「No-No Boy」の翻訳を手がけたノンフィクションライターの川井龍介が自らの日系とのかかわりを中心にとりあげる。

 



このシリーズのストーリー

第26回 『花嫁のアメリカ』著者、江成常夫氏にきく

2023年4月14日 • 川井 龍介

戦後日本の隠れた歴史として 戦後の日本が忘れてきたものをとらえてきた写真家・江成常夫氏は、アメリカ人兵士と結婚してアメリカにわたった女性たちのありのままの姿をポートレートとインタビューでまとめた『花嫁のアメリカ』を1981年に出版、それまでメディアが見落としてきた時代と人々を世に知らせ話題を呼んだ。 戦争という日本の負の遺産を何らかの形で背負った人々の戦後に向かい合ってきた江成氏は、この後、戦後中国に残された日本人孤児についても、“アメリカの花嫁&rdq…

第25回 カメラを手にアメリカで生きるフォトジャーナリスト、諏訪徹の回想

2023年3月10日 • 川井 龍介

堀江謙一や小田実に感化され 海洋冒険家の堀江謙一さん(84)が、このほど米クルージング・クラブ・オブ・アメリカ(CCA)から海洋冒険の功績を讃えられ、最高栄誉賞である「ブルーウォーターメダル」を受賞した。堀江さんは、昨年ヨットの単独無寄港での太平洋横断に世界最高齢で成功したほかこれまで多くの海洋冒険に挑戦してきた。 なにより堀江さんが世の中の注目を集めたのは、1962年に兵庫県の西宮港からサンフランシスコまでひとりで航海するという偉業を達成したからだった。その航海を著し…

第24回 日系カナダのパイオニアたち ・『カナダの萬蔵物語』から

2023年2月24日 • 川井 龍介

このコラムで前回紹介した、日本人カナダ移民の第1号である永野萬蔵氏の生涯についてまとめているのが、1977年に出版された『カナダの萬蔵物語 The First Immigrantt To Canada』(尾鈴山書房)である。 この年は、萬蔵がカナダに渡ってからちょうど100周年となり、この本には“萬蔵の物語”のほかに、「パイオニアの人達の素顔 日系カナダ人百年記念」と題して、その名の通り、日本からカナダにわたって活躍した日本人(日系人)が98ペ…

第23回 カナダ移民の先駆け、永野萬蔵 — 長崎県・口之津でその足跡を知る

2023年2月10日 • 川井 龍介

一昨年の夏から、私は断続的に日本の海岸線に沿って車で旅をしている。北海道、東北からはじめ、昨年は北陸、山陰、そして九州をぐるりと一周してきた。 島国の日本では、かつて外国へは海路を頼っていくしかなかった。反対に外国から日本へ来るにも同じことであり、その意味で日本の海岸線には、港はもちろんのこと海外との交流の痕跡がいくつも残っている。 昨年11月から12月にかけて九州の海岸線を車で走ったときのことだ。福岡県から反時計回りに進み、5日目に長崎県の島原半島を南下した。中央には…

第22回 戦争、そして海を渡った日本女性 ー 『花嫁のアメリカ[完全版]』を読む

2023年1月27日 • 川井 龍介

戦争花嫁の戦後 1945年の敗戦後、占領軍として多くのアメリカの軍人、軍属が日本に駐留した。若い彼らと日本人女性とが恋愛関係に陥るのは、当然の成り行きだった。彼らと結婚しアメリカに渡った女性たちは「War Bride」、日本語にすると「戦争花嫁」と呼ばれた。 戦時中は「鬼畜米英」と唾棄していた国の男性と結婚するこうした日本人女性に対する世間の視線や、親の反応が一般的にどんなものだったかは、容易に想像がつく。それでも彼女たちは結婚し、海を渡り、その他多くの日本人女性が戦後…

第21回 『移民がつくった街サンパウロ東洋街』著者、根川幸男氏にきく

2023年1月13日 • 川井 龍介

世界最大の日系人社会を構成するブラジル・サンパウロの日系人街をテーマにした『移民がつくった街サンパウロ東洋街 地球の反対側の日本近代』(東京大学出版会、2020年刊行)の著者で、国際日本文化研究センター特定研究員の根川幸男氏に、移民研究や本書が生まれる背景をきいた。 冒険譚としての「移民」の魅力 ——移民の問題に興味をもったきっかけはなんだったのでしょうか。また、そのなかでブラジルの日系社会の歴史を研究された理由はなんでしょうか。 根川: 19…

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このシリーズの執筆者

ジャーナリスト、ノンフィクションライター。神奈川県出身。慶応大学法学部卒、毎日新聞記者を経て独立。著書に「大和コロニー フロリダに『日本』を残した男たち」(旬報社)などがある。日系アメリカ文学の金字塔「ノーノー・ボーイ」(同)を翻訳。「大和コロニー」の英語版「Yamato Colony」は、「the 2021 Harry T. and Harriette V. Moore Award for the best book on ethnic groups or social issues from the Florida Historical Society.」を受賞。

(2021年11月 更新)