神田 稔

(かんだ・みのる)

奈良県在住。曾祖父は広島県から1900年にハワイに移住した移民一世、祖母は二世。同志社大学社会学部卒。学生時代に故、中山容(京都精華大学教授)の 下でアジア系アメリカ文学や文化を学ぶ。アジア系アメリカのポピュラー音楽に興味を持つ。Asian Improv aRts/Records (San Francisco, Chicago)の日本通信員をボランティアで務める。アジア系アメリカ文学研究会、マイグレーション研究会他に所属。

(2010年11月 更新)

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レビュー: Textured Lives: Stories from the Plantations of Hawai‘i (DVD)

去年(2010年)の8月。お盆休み。猛暑にうだる東京で私はこのドキュメンタリー映画を初めて見た。友人の宮田信さん(Music Camp代表)が企画した上映会で、彼がLAから招いたこの映画の制作者で監督のAkira Bochさんの慎み深い解説の後、サトウキビ畑で働く日本人労働者の動画が流れ、主役であるバーバラ・カワカミさんの声が重なる。いい感じの導入部だ。

ところが、次にスクリーンにあらわれた古い写真に私は「あっ!」と声をあげた。その写真には、私の曽祖父が経営し、祖母(一昨年、百歳で死去)が生まれた小売店が写っていたのだ ...

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レビュー:BIG DRUM - Taiko in the United States (2005)

去年の12月、San Jose Taikoの主要メンバーと京都で会う機会があった。予想通り、とても魅力的な人たちであった。この魅力はどこから来るのか。単なる個人の性格の問題ではない。その魅力は、彼らが、Taikoという楽器の演奏者(Player)であると同時に、Taikoを集団で演奏することにより、自分たち自身のリズムを作り出し、自分たちが楽しみ、そして聴衆をも楽しませる術(すべ)を知っていることから来る魅力なのかもしれない。Taikoを含む打楽器のビートには、人種や民族や世代を越えて、私たちの気持ちを高揚させるなにかがある。

この映画は、米国におけるTaiko音楽を歴史的、文化的視野から記録した秀作である ...

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映画評  『アメリカンパスタイム 俺たちの星条旗』 デズモンド・ナカノ監督作品 2007

単館ながら東京でも上映された作品だが、未見の方もおられると思うので、粗筋から紹介したい。ネタバレの部分もあるかもしれないけれどもご容赦下さい。

ロサンゼルス生まれのライル・ノムラは1世の両親を持つ日系2世。一家ではじめて奨学金を得、サンフランシスコ州立大学へ進学する筈だった。しかし 1941年12月7日を境に、彼の、そして家族の運命はすっかり変わってしまう。他の12万人の日系アメリカ人と同じく、ノムラ一家も告知後10日間で家 や仕事、殆どの財産を手放し、ユタ州のド田舎にあるトパーズ収容所へやってきた。砂埃と塵にまみれた、砂漠の中のバラック小屋生活が始まる。

フェンスに囲まれ常に監視される生活。白人の看守や兵士は聞こえよがしに日本や日本人の悪口を言う。アメリカで生まれ育った日系人の方が多いという のに。中村雅俊演じるライルの父親、カズ ...

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書評 『南北アメリカの日系文化』山本岩夫・ウェルズ恵子・赤木恵子 編(人文書院)2007

本書は、日系人を、国と地域別にカナダ・合衆国本土・ハワイ・南米各国の四つに分け、その文化を紹介し論じる試みである。従来の日本人による日系人 研究に弱点があるとすれば、それは、歴史研究や社会変動、アイデンティティ問題などに片寄り、日系人のありふれた日常生活に表れるトリビアな文化の記号を すくい取れてこなかったことだろう。この論文集は、立命館大学で組織された日系人研究グループが連続して開催した公開講座の講義録の上に成立した背景を持 ち、また、執筆者はそれぞれのスタイルでそれぞれの日系社会と文化に積極的にコミットしてきた第一線の研究者である。結果、難解な「研究者のための研究 書」とは一線を画した内容となったことは喜ばしい。以下 ...

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Folk Songs Left by the 1970’s Asian American Movement - Part 2

Read Part 1 >>

About Some Songs

1. TANFORAN (Is anybody there?)
(Horikoshi and Takimoto)

This song begins with the sound of knocking at the former Tanforan Assembly Center, and narration. Although the center served as a temporary holding facility in San Bruno in the outskirts of San Francisco, it is now disappearing from people’s memories. TANFORAN was a standard song always played in YOKOHAMA, CALIFORNIA’s live performances. Even prior to the commencement of the redress movement, the song uses the word “home” to clearly express what the temporary holding facility was. The song says even after the facility ...

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