アナ・シタラ
(Ana Shitara)
サンパウロ出身。サンパウロ大学(USP)文学部卒業、教育修士。母親であり、教師。読書家で、子供の頃から本好き、同じ物語を何度も繰り返し読み、本が一番の友達だと母親に言っていた。今は自分の子供に本は自己認識に役に立ち、夢を持たせるものだと言っている。百年以上前にブラジルに来た移民の子孫である「黄色い女たち」の存在がビジュアライズする夢を持っている。
(2021年9月 更新)
この執筆者によるストーリー
ニッケイ物語 10—ニッケイの世代:家族と コミュニティのつながり
二人のおじいちゃん
2021年9月14日 • アナ・シタラ
昔は、清涼飲料を瓶で飲んでいた。使い捨てプラスチックボトルが普及する前、空瓶を木箱に詰めて、店に返し、また、飲み物を買ったものだ。おじいちゃんはいつも緑色の小瓶の「ガラナ」を買って冷蔵庫に入れ、孫たちが来るのを待っていた。栓抜きで瓶の蓋を開けたときのガスの音を聞くと、私は、今でも、昔のキッチンを思い出す。 そこには、まだ子供だった私と頼りがいのあるおじいちゃんがいる。ポルトガル語がよく話せなかったおじいちゃんだったけれども、私に愛情をたっぷり注いでくれているのが分かった。…