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日本語を習い始める大人の日系人たち(後編)

>>前編

ロサンゼルスの日系社会を取材していると、3世の方々が日系社会で活躍されていることに気付く。今回もベニスのジャパニーズ・コミュニティ・セン ターの日本語クラスも、日系人の生徒たちはみな3世だった。建国230年のアメリカで4世以上の世代になれば、日系に対する意識は薄れてしまうということ なのか。

3世といっても子どもからお年寄りまで、当然さまざまな世代がいるわけだが、日系社会で積極的に行動する30~50代ならば、その両親(2世)は強 制収容所世代だ。その世代は、日本人の血を引いているというだけで、戦中戦後にアメリカで辛い思いをした。彼らの中には自分の子どもに日本語を教えさせよ うとしなかった人もいる。逆に、50~60年代に米で巻き起こったマイノリティの公民権運動に刺激を受け、日本人のルーツに誇りを見出した人もいる。

(「日系社会で活動しているのは3世が多い」という点に関しては、Discover Nikkei.org の西村さんに、「何世というよりも、育った時代も日本への興味に関連しているのでは」というご指摘をいただいた。収容所、公民権運動という2つの史実は、 その時代を経験した人にしか分からない影響を残すはず。もう一つ付け加えると、育った地域というのも関連が少なからずあると思う)

ベニスの日本語クラスで実施したアンケートでも、子どものころに日本語学校に通った人と、通わなかった人は半分ずつに分かれた。彼らの両親が2世で あることを考えれば、半数でも多いとみるべきだろう。実は、他の子どもが遊んでいる土曜日に学校に通うというのは、子どもには大変辛いことらしく、途中で やめてしまう子も多いと聞く。「20歳くらいになると、『どうしてあの頃、続けさせてくれなかったの!』って親に文句を言うらしいです」とは、日本語クラ スの先生、ケイ・ガーヴィンさんの話。子どもがイヤがるから辞めさせたわけなのだろうが、「もう少し勉強しておけば…」と大人になって悔やむのは、日本語 に限らず、よくある話である。

では、大人になった日系人がなぜ、日本語を習い始めるのか? 彼らは、子どもの頃と違い、今度は自主的にクラスに通い始めたのだ。

アンケート回答によれば、「頭脳を刺激させたい」「勉強がしたくなった」と、教養目的の人もいれば、「日本の文化をもっと学びたい」「日本へ旅行す るときのため」と実用的な理由を挙げる人もいる。中でも一番多かったのは「日本の親戚と話がしたい」だった。ある男性は、これまで白人社会で仕事をしてき て、日本人のルーツについて考えたことさえなかった。ところが両親の死をきっかけに「日本」を強く意識し始め、日本語を勉強しているという。また、ある女 性は「日系人なのだから、日本語を知っているということは大切だと思う」と、クラスに通い始めた。

ケイさんは、日本語の文法と単語を中心にゆっくりと授業を進める。本業はフィットネス・トレーナーで、尊敬する父親も高校の物理の先生だったから、 傍目に見ても教えるのは上手だが、「大人の人が何か新しいことを始めるのは、本当に大変」と教科書を逸脱することもしばしば。教科書で教える日本が少し古 いと感じ、思いつくたび今の日本の情報や風俗を紹介している。「ちょっとしたことでもみんな驚くんです」。生徒には、日本を旅行するように勧め、実際に日 本からポストカードを送ってくれと頼む。「だって、ポストカードを出すには、郵便局に行って、切手を買わないといけないでしょう」。観光ではない、日常の 日本に接してもらいたいというケイさんの“先生心”だ。

一口に日系人と言っても、その民族性を意識する度合いは人によって全く異なる。日本語クラスで会った3世の彼らは、お盆になれば盆踊りを踊り、太鼓 グループのコンサートに行き、県人会に参加すれば、お正月にはお雑煮を食べる。日本人アイデンティティ度が相当高い彼らは、アメリカの日系人の中では少数 派かもしれない。そんな彼らにとって、日本語を習う意味とは何か? 「日本の親戚と話がしたい」という言語本来のコミュニケーション・ツール的な目的は もっともである。しかし、それ以上に日本語を習うことは、彼らにとって“盆踊り”と同じく日本文化の実践であり、継承なのではないか。

ケイさんに届くポストカードが増えるほど、ベニスの地で、日本文化が、また少し広がってゆく。

ケイ・ガーヴィンさんの日本語クラスは、毎週金曜午後7時から。詳しくは、電話310-822-8885にて。

© 2009 Yumiko Hashimoto