ディスカバー・ニッケイ

https://www.discovernikkei.org/ja/interviews/clips/649/

仕事における体・心・精神の倫理(英語)

(英語)我々の会社は、いわゆる五大企業というわけではないので、人事管理者がいて、従業員のトレーニングを行うというようなことはしていません。従業員のほとんどは、経験から学びます。私たちが彼らに言うのは、ここで働いてくれて嬉しいし、学んでくれれば有り難い、ということです。たとえ愚問かもしれないと思うことがあっても、分らないことがあればいつでも質問してほしいのです。知らないことを聞くことに愚かな質問などありませんから。私は、従業員に週80時間働いてほしいなんて思いません。もし、20時間で仕事を終わらせられるのであれば、それは素晴らしいことだと思います。ただ、日々仕事をする中で、何かを学んでほしいのです。たとえ毎日同じことを繰り返していても、自分の時間を増やすためにも、より効率を上げるにはどうすればいいか、考えてほしいのです。

私は、体、心、精神(のバランス)が重要だと考えます。秘書的業務に従事する多くの従業員は、機械を前に仕事をすることが多いため、腰や首が痛くなることがありますが、週に1度、水曜か木曜に指圧師に来てもらい、20分間の施術を受けてもらっています。

I*: 素晴らしいですね。

週末にそのサービスを受ける従業員も居ます。私は、一生懸命働く従業員に、そういうサービスを提供すべきだと思います。また、一部の幹部の手柄ばかり称えていると、見過ごしてしまうことがあります。帳簿係だったり、働いてくれている皆のお陰で会社は成り立っているのです。会社には従業員が必要です。私たちは、一人ひとりが会社にとって、とても重要な存在であることを皆に伝えています。 一方、私たちは従業員を囲い込むようなことはしません。何人かは会社から独立し起業したのですが、私たちは、彼らを支援しました。私は、起業家精神はとても大事だと思います。独立して自分のやりたいことをやるのも素晴らしいし、私たちと共同で事業をやるというのもいい考えだと思います。

*「I」はインタビュア(アケミ・キクムラ・ヤノ)


建物(building) ビジネス 建設 建設業界 経済学 従業員 経営

日付: 2006年6月1日

場所: 米国、ハワイ州

インタビュアー: アケミ・キクムラ・ヤノ

提供: 全米日系人博物館、ワタセ・メディア・アーツ・センター

語り手のプロフィール

コバヤシグループ株式会社(Kobayashi Group LLC)の創設者、バート・A・コバヤシ氏は1944年11月10日にハワイ州ホノルルに生まれました。日系アメリカ人3世で、両親共にハワイ出身です。コバヤシ氏が19歳の時、父アルベルトが病に倒れ、父の経営していた建設会社を突如継ぐことになりました。当初は経営に四苦八苦していましたが、後に経営のコツをつかみ、ハワイ最大の建設会社まで成長させました。1997年にはこの建設会社を社員に売り、後にKobayashi Development Groupを創設します。定年まで会長を務め、現在は息子のBJ・コバヤシを社長とし、自らは顧問を務めています。また、ハワイ大学財団創設といった彼の慈善事業はハワイでもよく知られており、数々のコミュニティや教育機関の理事としても活躍しています。 (2007年3月1日)

トム・ユキ

第二次大戦中は父のビジネスパートナーが農業ビジネスを管理した(英語)

三世のビジネスマン(1935年生)