カレン・テイ・ヤマシタ~自分の居場所を問い続ける日系3世作家 -その3
その2 >>
激動の10年に重ねた青春期
I Hotelとは、かつてサンフランシスコのマニラタウンにあったInternational Hotel(国際ホテル)のことで、主にフィリピン系の低所得者層が暮らすアパートだった。
1920年代によりよい生活を求めてアメリカにやってきたフィリピン人にとって、低料金で利用できるI Hotelは不可欠な存在だった。1950年代には、このホテルを中心として約1万人のフィリピン人が暮していた。
1968年の12月、ホテルのオーナーであるミルトン・マイヤー社は、ビルを駐車場にするので立ち退くよう、住人に通達した。この頃には、マニラタウンは、I Hotelがある一角だけになって…