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日系人との交流: 日本を知ってもらうために ~河野太郎衆議院議員~

三菱商事特別講演シリーズの講師として当地を訪れた河野太郎衆議院議員。訪問の合間には親交を深めている地元日系人関係者とも懇談した。米国の日系社会との交流は長く、2000年に始まった日系人リーダーと日本の橋渡しを目的とする「日系人リーダーシップ使節団(JALD)」では、日本側で受け入れ役を担い参加者との交流を深めている。長年続ける日系人との交流について話を聞いてみた。

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河野議員と日系人の友好の始まりは。

講演会でシアトルを訪れた河野太郎衆議院議員

中学校1年の時に米国に初めて来たんですが、その時は父のスタンフォード大時代の教授のところでサマーステイさせてもらいました。その帰りにロサンゼルスで当時、ヤマトという日本食レストランがあって、そこに日系人の石崎さんというご夫妻によく世話になりました。

日系人ですが日本語をあまり話されない。いろいろな話を聞いているうちに日系人の歴史を習いました。戦時中の強制収容の話やロサンゼルスで活躍している日系人の話などを聞くうち、なんとなく誇らしく、また全く知らなかったこともあり、興味を持ちました。

国会議員になってからロサンゼルスの総領事に河野雅治元外務審議官がなられて、今のJALDプログラムをやった方が良いと父と話が出て、私に話がきたわけです。

毎年JALDのメンバーとは(東京で)夕食を食べてカラオケに行って、それからロサンゼルスの二世パレードへ呼んでもらえるようになったりとか、米日カウンシル(USJC)の年次総会にはできるだけ行くようにしたりと、そういう付き合いが始まりました。

今年も日本に10名の使節団が向かいます。

3月12日に夕食会を(予定しています)。こちらから来るメンバーと日本の国会議員で一緒に食事をする会です。


北米以外の日系人との交流について。

中南米の日系人社会というのは大きいんですけれども、なかなかJALDのような形での交流ができていないというのが正直なところですね。日系人ビザで日本で働いて、日本語で交流できない中南米の日系人への同行政サービスという部分でずいぶんかかわったんですけれど、国の各地域の日系人リーダーとかかわるというのは、今のところ米国だけです。


国会での日系人への意識は変わっているのでしょうか。

若い世代は意識するようになっていると思います。どの県からの移民というよりも、例えば、米国と日本の関係でしたら一番コンタクトしやすい窓口という存在ですね。


米国ではダニエル・イノウエ議員という大きな柱を失った今、米国における対日理解者を得るうえでどのような立ち位置にありますか。

シアトルでの総会でUSJCと日系人政治家と日本の政治家の交流をしようとなりまして、その一環でロサンゼルスを訪れたりしたんですが、最近のUSJCが政治的な交流に熱心でないのか、やや心配をしております。上院では昨年にコリーン・ハナブサ氏が予備選で敗れたこともあります。まだハワイにはメイジー・ヒロノ議員が上院にいて、カリフォルニアにもマーク・タカノ議員らが下院にいますが、人数が限られてきてしまい、そこは少し心配です。各州の議員は少し増えてきているところはありますので、しっかり交流をしていきたいという思いです。


USJCのプログラムで昨年11月に地方議会関係者が日本を訪れました。

解散と総選挙で全く相手ができず、非常に申し訳ないと思っております。来るのはわかっておりましたし、知人もいたので東京で会おうという話だったのですが。大変もったいなかったですし、これから定期的に続けていければと思っております。


ダニエル・イノウエ議員について、印象に残っていることは。

私が初当選した1996年ごろ、イノウエ議員は日米関係について言わなかった印象があります。沖縄基地に立ち寄っても東京に寄らずに帰っていたのではないかと思います。

ある時、私の父と3人で食事した際にいろいろと話をしたのですが、「ダニエル・イノウエという日系議員が日米関係について物を言っても、誰も『日系人が言っている』とは思わないだろう。(今では)それだけ自信がついた」と話していたんです。

それだけ上院で確固たる地位を築かれて尊敬されて、ダニエル・イノウエが物を言うということは「米国の良心」として物を言っていて、決して「日系人」として言っているわけではないということです。みんながそう思うようになったと実感できるようになったから、東京で少し話をするようになったとおっしゃっていました。


安倍首相が4月末に訪米を予定。戦後70周年、訪問先に挙げたい場所は。

岸田外務大臣が2013年にロサンゼルスを訪れた際には、外務省と本人に「ロサンゼルスに行ってください。全員が西海岸を飛び越えてワシントンDC、ニューヨークというのはよくない」と(伝えました)。外務大臣が帰国後、私に「行ってよかった」と。外務大臣が訪れたのは本当に久しぶりで、これではいけないという話になりました。

ワシントンDCを訪れるならば、ハワイ、ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトルなり、どこかに1クッションして日系人コミュニティーに顔を見せて、「日米関係が大事、日系人も大事」と言ってもらってから東海岸に向かった方が良いと思うんです。岸田外務大臣からも首相に話されているので、今回は西海岸に来られると思います。

(2020年の)東京五輪が決定したリオデジャネイロからの帰国では、(安倍総理は)実は夜中にロサンゼルスに着いたんです。夜中だから少し休憩してそのまま日本へ発たれてしまった。ただそこには1964年の東京五輪決定で手伝ってくれた方々、思い入れの強い日系人が多いですから、夜中でも総理があいさつしてもらえれば、日系人の方々も喜んでもらえたと思います。できればハワイ。またロサンゼルスを選ぶとサンフランシスコはどうだ、となりますが、できればすべてを周ってもらうのが大事かと思います。

また日本の首相はまだ真珠湾に行っていないんです。戦後70周年ですので、日本の首相がまず真珠湾に行って、オバマ大統領に広島なり長崎に来てくださいというのが大事ではないかと思います。08年の広島でのG8では(ナンシー)ペロシ議長に来てもらって議長全員が集まった。議長が広島来てくださったんで、あとは副大統領か、大統領なんですね。


以前ブログで日系人との関係を再構築すべきとの一節がありました。改めて何か提言は。

2015年1月26日にワシントン大学で講演する河野衆議院議員

JALD(日系人リーダーシップ使節団)を始める前、日系人があまり日本に興味を持っていないなというのが率直な思いでした。いろいろな日系人と話していると、日本語を話せない人が多かった。せっかく日本の血が流れているのだから、興味を持ってもらえたら良いなという思いがずっとありました。また同じ人種同士で結婚しない確率で日系人が一番高い中に入ってきている。ですが、それが日系の血が広がっていく上で、逆によいことではないかと思ってもいます。どんどんリーチアウトしていくことも大事だと思います。

JALDのメンバーの1人は、先祖の墓を訪れて5世代くらいの墓が並んでいるのを目にして、「自分は日本人だと思った」と、墓を見る前と後で人が変わったくらい日本びいきになってくれた。JALDの良いところは、日本に実際に行って見てもらって、日本と繋がっていることを感じてもらえる。日本語を話さないだけでなく、行ったことがない人が多い中で、実際に来てもらって「日本良いじゃないか」と思ってもらえるというのが大事です。

日系の議員の中にはイノウエさんのような方もいれば、マイク・ホンダ議員のように批判的な方もいます。ただいろいろな人がいる、いろいろな意見を日本に対して言ってくれる、というのがやっぱり大事なのかなと思います。

何も関係ないというより、批判的なことでもきちんと気が付いたことを言ってもらえるのが大事なのではないかと思います。

 

* 本稿は、2015年2月5・12日『北米報知』(Vol. 70, issue 7, 8)からの転載になります。

 

© 2015 The North American Post

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