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南米の日系人、日本のラティーノ日系人

日本の日系ラティーノの飲食ビジネス

中南米の食材と日本の貿易

日本ではほぼ世界中の食材が手に入る。そうした専門店もあるし、今はインターネットによって誰もが海外から取り寄せることができる。

日本は基本的に貿易で栄えており、日本にはない石油や天然ガスというエネルギー資源をはじめ、国内では生産が不十分で割高な食料品を海外から輸入し ている。輸出額は国家予算に相当する83兆円に上る。一方の輸入は73兆円であるが、この中の食料品は全体の8%で6兆円に相当する。アジアとの取引が半 分以上だが、輸出の5%弱(4千億円)と輸入の4%(2千8百億円)が中南米とである

すべて2007年のデータだが、中南米からの日本への輸出は鉱物、穀物、肉類で構成されている。日本人は知らないうちに居酒屋等ではブラジル産の焼 き鳥や鶏の唐揚げを食べているのである。現地で加工し、日本が要求するサイズにカットして串に刺し、または揚げたものが冷凍されて輸送されてくる。

90年代前半からチリワインやサーモン等が入るようになり、ほぼ平行してジェトロ(日本貿易振興機構)の輸入促進支援プログラム等によって中南米諸 国の珍しい食材や酒類等が食料フェアや専門展示会等で紹介されるようになった。その後在京各国大使館の商務部や生産者のプロモーション活動によって実際一 部の食材が輸入されるようになった2

そして、90年代といえば南米からのデカセギ日系労働者の来日現象でもあり、その人口が増えることによってエスニック・ビジネスも各地でみられるようにな り、主に集住都市やその付近ではプラジル人やペルー人のレストランや食材店、娯楽施設等が目立つようになった。少しずつではあるが、地元の地域住民にも親 しまれつつあり、エスニック・コミュニティー外の市場を開拓するラティーノ経営者も増えてきた。その結果、これまであまり注目されてこなかった食材が専門 の輸入業者等によって仕入られるようになった。今のところコミュニティー内の消費者への供給が主であるが、誰でも購入することができるため日本人の舌にも 合う調味料などはそのうちにもっと普及するかも知れない3

エスニック・ビジネスの課題とポテンシャル

インターネットのe-foodというサイトで「メキシカン」というキーワードで探すと東京都内には80件近くのレストランがあり、横浜や千葉、埼玉 を含むと120件ぐらいになる。同じ関東地方でブラジルやペルー料理の店を探すと更に80件ぐらいが登録されている。一部二重にヒットしているものもある が、それにしてもすごい数である。中南米コミュニティー内のかなりの店はこうしたサイトに登録されていないことを考えると、その数はもっと多いということ になる4

全国的にみると、ブラジル人の店が400店舗、ペルー人の100店舗ぐらいだという推計もあるが、入れ替わる率がかなり高いため実態を知るのはそう 簡単なことではない。それに地域によっては、ブラジル人の店でありながらペルー人顧客が多いというところもある。またほとんどが個人経営で開業資金は家族 全員が働いて工面するのだが、その後運営のノウハウ不足やどんぶり勘定経営が原因で閉店に追い込まれるケースはまだ多い。インターネット版の飲食店サイト やコミュニティー内のフリーペーパーの飲食店広告を半年毎に閲覧するだけでもその状況が垣間みられる。コミュニティー内の競争率も非常に激しくなってお り、そうしたビジネスが飽和状態にあることも裏付けられている。

日本の一般社会でも飲食店経営の生存率は3年で30%、10年で10%と言われているが、ブラジル人やペルー人の店では日本人向けのサービスの質の低さや メニューの工夫の足りなさ等を考えるとその生存率はもっと低く、半分が1〜2年以内に姿を消していると推測される。もちろんはじめからうまく経営している ところも多数あり、コミュニティーの中では老舗になりつつある店も出てきている5

これには二種類の店があり、日本人向けにメニューやサービス方法を変えているところと、そのまま現地のスタイルを維持し、味も「純ブラジレーロ、純ペル アーノ」というのを売りにしているところである。後者の事例として、この横浜鶴見区の工業地帯の中にアルゼンチン・ボリビアレストラン「ラ•エスタンシア (牧場という意味)」というのがあるが、当初はその地域で働いている日系就労者向けだったに違いないが、自然と日本人客が多くなり、平日でもかなりの人が 入っている。メインの肉料理もボリュームたっぷりで、味付けも本場のものと変わりなく、店のデザインは南米ではどこにでもある大衆食堂に近い。サービスも 特に目立ったものはなく、立地条件も駅からかなり離れているのだが、日本人が書き込んでいるサイトの感想を読むと「素材を活かしたシンプルな味わい、庶民 的で近所に住んでいる南米日系人の気取りがないたまり場、フレンドリー、なごやかな調理場の雰囲気」などという評価であり、気さくな対応が好評のようであ る6

中南米食文化の発信地になり得るのか

飲食店の経営は非常に難しく、いくらサービスやメニュー構成を良くしても、日本人向けに味をアレンジしても、店の雰囲気を今風の個室化にしても、全 ての諸条件を満たしたとしても、客が入らない店は数えきれないほどある。逆に、こうした条件をあまり満たしていなくとも、オーナーや女将さんの人柄、看板 娘の愛嬌、味やボリュームを工夫していることで繁盛している店はいくらでもある。

コミュニティー内の店の今後の課題はメニューの分かりやすさ、透明な料金システムとその料金を反映するボリューム、料理の素材や調理方法の情報提供 である。ペルー人の場合、生の魚介類で創るセビッチェという料理もあれば、オーブンで焼いたチキン「ボージョ・アラ・ブラサ」もあるが、調理するシェフに よって味付けや使用する一部の調味料は異なり、出身地によってその違いはかなり濃く出るという。珍しい味や素材を好む日本人は、やはりそうしたミステリー を知りたがる。こうした要望に応えて始めて異文化の発信になり、刺激を受けた日本人側もそれに関心を持ち、場合によってはその国を訪れたいという気持ちに なる。まだ、この波及効果を理解していない中南米系店舗のオーナーが多く、今後どのように自らのカラーを出しながら市場での生き残りを展開するかである。

駐日大使館もこれまで観光プロモーションの一環として都内のホテルでグルメ・フェア等を開催してきたが、こうした行事とコミュニティー内の活動が連結して いないのが現状である。コミュニティーの店も本来であれば本国の観光ポスターを店内で展示し、もっと積極的に自国のすばらしさ等をアピールしたいに違いな いが、そうした制度的な仕組みはできていない。

他方、同業者同士の経営者組合の設立も、その必要性を認識しながらもまだ実現に至っていない。エスニック・ビジネスの発展に必要なのは、彼らのよりアグレッシブな戦略と、様々な成功事例を互いに吸収し学ぼうとする姿勢なのである7


1. http://www.jetro.go.jp/world/cs_america
最新の貿易統計が掲載されており、国別の基本情報が充実している。
2. パパ・アンディーナという丸い小さなジャガイモ、トロピカルフルーツのペースト(この原料を使って「トロピカル・マリア」というジュース専門店ができた。http://www.tropicalmaria.com
3. コミュニティー内のために仕入れる輸入業者の食材や雑貨等は同胞のためというのが主な目的であり、日本国内の流通経路も限られている。他方、はじめから日本市場を意識して輸入している業者は長い年月をかけて信用を勝ち取り、両マーケットに各種商品を卸している。例:http://www.lead-off-japan.co.jp
http://www.asc.co.jp
4. http://e-food.jp/rest
様々な国や地域の料理店を検索できる。消費者の感想も興味深く、これが間接的には大きな宣伝効果になっている。
5. http://www.rest-intiraimi.com
日本人のリピーターも多く、ペルー料理店としてはもっとも評価が高い。
6. http://e-food.jp/blog/archives/2006/04/la_estancia.html
マイペース的なレストランだが、日本人からの評判も高い。多くのコミュニティー内飲食店はこうした特徴を持っているが、そのアピールの仕方や企業努力がまだ不十分である。

7. 近年同業者同士で勉強会を設けたり、つい最近は筆者とともに横浜中華街を視察し、その組合の理事長から貴重なレクチャー受けたペルー人店主もいる。

© 2008 Alberto J. Matsumoto

Sobre esta serie

日本在住日系アルゼンチン人のアルベルト松本氏によるコラム。日本に住む日系人の教育問題、労働状況、習慣、日本語問題。アイテンディティなど、様々な議題について分析、議論。