ディスカバー・ニッケイ

https://www.discovernikkei.org/ja/interviews/clips/838/

へースティング・パーク収容所から抜け出して (英語)

(英語)ヘースティングス・パーク収容所で思い出すことがあるんです。収容所の周りをフェンスが囲んでいて、その外に出ることは許可されてはいなかったのですが、実際はフェンスを飛び越えれば外へ出ることができたんです。それはとても簡単で、大きいジェットコースターみたいなものがフェンスのすぐ近くまできていて、それを登ってほんの8フィート程のフェンスを飛び越えればよかったんです。ちょっと行って、フェンスを飛び越えれば外に出れたんですね。難しかったのは、中に戻ってくることでした。周囲にたくさん人が居る頃合いを見計らい、雑踏にまぎれて密かに収容所に戻るんです。若者の多くは抜け出してバンクーバーで1日過ごし、そしてまた収容所へ戻ってました。外に出ても行く場所なんかないですからね。外へ出るまではいいんですよ。でもその後どこに行けるというのでしょう?見た目にもマイノリティーだとすぐわかるので、どこか公園に泊まろうにもすぐ捕まってしまうでしょうし、結局収容所に戻ることになるんです。抜け出して行った人が戻ってこなかった、というケースもあったかもしれませんが、でも彼らはどこへ行けたでしょう?それが難題なんです。


ブリティッシュコロンビア州 カナダ ヘイスティングス・パーク仮収容所 投獄 監禁 一時拘置所 バンクーバー (B.C.) 第二次世界大戦 第二次世界大戦下の収容所

日付: 2006年7月25・26日

場所: 米国、ワシントン州

インタビュアー: トム・イケダ

提供: Denshō: The Japanese American Legacy Project.

語り手のプロフィール

ヘンリー・シミズ氏は、1928年ブリティッシュ・コロンビア州プリンス・ルパートで生まれました。第二次大戦中シミズ氏は、ニュー・デンバーに強制収容され、終戦後、現在の居住地であるエドモントンへ移り住みました。医学部を卒業したシミズ氏は、整形外科医となり、その後、医療関係の数々の要職を務めました。また、1989年から2002年には、日系カナダ人リドレス基金の会長を務めました。画家でもあるシミズ氏は、強制収容所の体験を題材にした数多くの作品を手掛け、それらの作品は、様々な場所で展示されています。シミズ氏のコミュニティへの貢献は高い評価を受け、1999年全カナダ日系人協会より表彰を受けました。また、2004年には、アルバータ大学の卒業生に贈られる賞を受賞し、同年、カナダ勲章を受勲しました。(2006年7月6日)

ベン・サコグチ

キャンプから帰ってきて

(1938年生まれ) 日系アメリカ人の画家、版画家