和氣直子
(わけ・なおこ)
京都大学卒(学士、修士)。アメリカ・インディアナ大学ブルーミントン校(博士号)。現在、ミシガン州立大学教授(歴史学)。研究領域は、米国を含む環太平洋地域における近現代医学史、ジェンダー、セクシュアリティーの歴史。著作には研究領域関連論文のほか、『プライベート・プラクティス』(Private Practices, Rutgers University Press, 2011, 未邦訳)がある。現在、日系・韓国系アメリカ人被爆者の歴史を、記憶、アイデンティティ、権利要求運動の形成過程などに着目しつつ、国際的文脈の中に考察する研究に従事。
(2014年12月 更新)
この執筆者によるストーリー
抜粋:海を超えたヒロシマ・ナガサキ ~その2
2018年8月9日 • 竹田 信平 , 和氣直子
その1を読む >> 4. 被爆者の渡った国々—中南米 パラグアイ 赤い土が印象的な南米の国パラグアイには、遠大に拡がる農場が数多く見受けられる。アルゼンチン、ブラジルとボリビアに囲まれたこの国には、幾つかの日系人「コロニア」もある。 フラム地区にあるラパズ日本人移住地は、その中でも比較的新しいコロニアだ。ボリビアのサンフアンと同様、日本人移民が戦後パラグアイに到着したのは1950年代のことだ。この、現在でも人口660万人という小さな国に移住した彼等は…
抜粋:海を超えたヒロシマ・ナガサキ ~ その1
2018年8月8日 • 竹田 信平 , 和氣直子
1. 北米南米に住む被爆者 私たちは「南米・北米に住む被爆者」という題名を聞いて、どんな印象を受けるだろうか?そこから、どのような物語、心象、感情が沸きあがってくるだろうか? 南米・北米で『爆弾』による被害を受けた人々」という意味から、メキシコの麻薬戦争ないしアメリカ合衆国のテロリズムを思い起こす人もいるかもしれない。「被爆者」=「広島ないし長崎で原子爆弾による被害を受けた人たち」という意味から、南米・北米、とりわけアメリカ合衆国に「住む」被爆者など存在するはずがない、と…