Edward Toru Horikiri

1929年、カリフォルニア州ロサンゼルスに生まれる。1931年、反日運動が盛んになる中、子どもの将来を心配した父が、家族全員で日本へ帰国すること決意。生後18ヶ月にして、日本へ渡る。1952年18歳の時、アメリカへ帰国。以来アメリカで生活を送る。現在はカリフォルニア州ローズミード在住。

(2014年5月 更新) 

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一世たちの野球

日本人の野球好きは衆知の事だが、若き頃の一世たちはどうであったろうか。日系野球創生の頃を探ってみたい。 LAに日系野球チームが誕生したのは1904年(明治37年)。当時タイムス・ビルに同居していた羅府新報社の南加野球チームがそれで、メンバーには主筆の斉藤紅丹、藤田東洋、佐藤、原瀬、雑賀が名をつらね、翌5年には一世球史に輝くスタープレーヤーの吉瀬権(都城町)、税所篤義(都城・早稲田・スタンフォード中退)、鈴木喜一(鬼亭・千葉県・早稲田)の3人が参加した。球場は旧サンタフェー停車場の対岸(ボイルハイツのロサンゼルス河畔と東一街の南)の空地で、毎日曜日練習し技を磨くが、他に相手になる日系チームがなく対戦相手は白・黒・墨国人チーム。 善戦し他人種間に名をしらしめる1907年には、球場をハイランドパークに移した。翌8年には早大野球部で鳴らした橋田信(頑鐡・初代主将、日本社会人野球の橋田賞)を迎え、メープル街に借家して合宿生活を始め心技共に充実してゆく。 この南加野球チームは1909年4月にはJBBA(ジャパニーズ・ベースボール・アソシエーション)と、改組された。ここのスター・プレーヤーとして活躍したのが立山徳太郎(国分町・鹿児島商業野球部創生時の正選手)である。チームの米東部諸州遠征に参加ノンプロチーム相手に妙技を発揮、日本遠征にも税所と同道し球界に名を馳せた。 一方、1907...

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朝鮮戦争を戦った帰米二世

朝鮮戦争に従軍した日系兵士は意外と多く、第100大隊、422部隊、MISの先輩に続けとばかり勇敢に戦い、246名もの尊い命を祖国に捧げた。この中に第2次大戦を日本で経験し、戦後米国に戻ってきた帰米二世達がいる。 その1人、鹿児島の万世町で幼少期を過ごした阿久根四郎氏に、スポットを当ててみたい。 1930年8月2日、万世村小湊出身の阿久根一郎・ユキエ夫妻の四男としてターラック市で生まれ、3才のおり家族と両親の故郷に渡る。終戦の年の4月、三田尻にあった海軍通信学校に入学。卒業と同時に佐世保第2海兵団に配属、ここで終戦を迎え万世に帰る。50年6月20日の朝鮮戦争勃発のニュースを帰米途上の東京で知り、横浜から船で桑港向け発つ。 この時期の四郎(以下敬称略)の心理状態はどうであったのか? -- 終戦で危ない命をとりとめたのに、徴兵義務のある米国に渡ったら、又戦争に参加する破目になる。それに僅かの5年で旧敵国の軍服を抵抗なく着れたのか...。 「米軍の兵士として太平洋戦線で戦った長兄と次兄が敗戦直後の日本にやって来た。ハリー(長兄)が父を訪ねてきたのが、万世が初めて見た米兵であった。この夜、日露戦争の勇士である父を囲んで、日本海軍の三郎(三兄)と私は敵であった兄を相手に、戦争の是非、日米の正邪をめぐって大激論になった。2対1であったが日米両方を識る兄に説得されたと言うよりも、...

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八島太郎さんの桜島

桜島の油絵を土産に貰い、その額縁を注文に行った店先で八島太郎さんに初めてお目にかかった。東京オリンピックの頃で、それからは中学20期先輩のお宅を訪ねたり、食事だ、一杯だの骨董屋冷やかしまでした嬉しい歳月が続くことになる。 暮れなづむとき 桜島(やま)ひときわやさしく これは1日に7色変わる桜島、その春夏秋冬を滋養にしてきた八島さんの色紙、桜島の絵に添えられた句である。 二人きりのときの鹿児島語(弁)を交えた茶目ぶりの大サービスは、それこそ桜島ではないが凡庸な後輩にしては、ずいぶんと優しくされていた。政治・文学・芸術と話題は多彩、鹿児島の今昔や風物、それに共通の方々の消息も、お陰でこちらに来てから得た鹿児島知識は多い。卓抜な話術に濃い内容、それにアルコールが連れでは、大先輩の親切と優しさに酔っ払わぬ筈がない。それに、毒舌家で聞こえた人の骨まで刺す一発を浴びなかったのだから、仲人役の桜島その恵みに感謝しよう。 1974年の第1回顧展、その前日、休日だった私は美術研究所に氏を訪ね、釘を打ったり針金を張るなどして終日を共にした。代表作「桜島」との出会いはこの時で、知らずに手にした作品に、これは私の桜島(やま)でない、何処からか?それに厳しいな、目を外せずにいると、 「どうかね、君の感想聞きたいな」 芸術家しかも作者ご本人からのお声、これは鑑賞眼を試されている、そう...

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