音楽業界の最高峰の地へ
2023年2月、ロサンゼルスで授賞式が開催される第65回グラミー賞グローバルミュージックアルバム部門のノミニーの中に日本人の名前がある。その名はMasa Takumi。日本では宅見将典という名前で、ミュージシャン、作曲家、プロデューサーとして活躍し、プロデュースを手がけたアーティストにはEXILE、DA PUMP、AAAといった錚々たる名前が並ぶ。
Masaさんは、あるきっかけを経て2018年1月から、活動のベースをロサンゼルスに移して今に至る。なぜ、アメリカで活動しようと思ったのか、渡米後、自身に変化はあったか、さらに将来のビジョンについて、グラミー賞授賞式を1カ月後に控えた時期に話を聞くことができた。
渡米のきっかけは、2011年のグラミー賞授賞式への出席に遡る。
「僕がバンドメンバーとして参加したアルバムがグラミー賞にノミネートされたので、会場で実際の式に出席しました。31歳でした。その時に式の演出やアーティストの圧倒的なパフォーマンスに、(音楽の)世界の最高峰がいかにすごいかということを目の当たりにし、彼ら(パフォーマー)がまるで自分たちとは違う生き物であるかのようにさえ感じたのです。特に感銘を受けたのは、僕の想像の枠を超えたアッシャーとジャスティン・ビーバーのパフォーマンスでした。
その時からアメリカに1年の…