日本人移住地の話(1)ーどっちを向いても日本人
「きょう町で外人をみたわ!」
小学生だったTAさんは、ある日学校から帰るなり息せき切っておかあさんにそう報告した。TAさん、もう80歳は越えているはずだから、そんなこ とがあっても不思議はない。地方の県庁所在地に暮らしていた私にとって、たまに見かける外国人が目を離せなくなるほど珍しい存在だったのもやはり小学校の 低学年の頃だった。その私の年齢がTAさんのおよそ半分でしかないことを思えば、むしろその当時ならだれでもが経験するようなことだったろう・・・日本で だったら。
もちろんここで日本の昔話をしようというのではない。TAさんは、これをブラジルで経験した。
TAさんが暮らしていたのは、いったいどんなところだったのだろ…