第10回 イマジン・リトル東京ショートストーリー・コンテスト
毎年行われているリトル東京歴史協会主催の「イマジン・リトル東京」ショートストーリー・コンテストは、今年で第8回を迎えました。ロサンゼルスのリトル東京への認識を高めるため、新人およびベテラン作家を問わず、リトル東京やそこにいる人々を舞台とした物語を募集しました。このコンテストは成年、青少年、日本語の3部門で構成され、書き手は過去、現在、未来の設定で架空の物語を紡ぎます。2023年5月20日に行われた授賞式では、タムリン・トミタを司会とし、声優の佐古真弓、俳優のグレッグ・ワタナベ、美香条(ミカ・ジョウ)が、各部門における最優秀賞受賞作品を朗読しました。
受賞作品
- 日本語部門 — 最優秀作品: 「Color」 平山 美帆
- 佳作:「Why not? Little Tokyo!」 鏑木 洸亮
- 成年部門 — 最優秀作品: “The Last Days of The Dandy Lion” DC・パルター [英語のみ]
- 佳作: “Aftershocks” アリソン・オザワ・サンダース [英語のみ]
- 青少年部門 — 最優秀作品: “One Thousand Cranes” ジョセリン・ドーン [英語のみ]
- 佳作: “Unlocking Memories” マデリン・タック [英語のみ]
- 佳作: “Ba-chan” ゾーイ・ラードワラタウィー [英語のみ]
* その他のイマジン・リトル東京ショートストーリー・コンテストもご覧ください:
第1回 イマジン・リトル東京ショートストーリー・コンテスト (英語のみ)>>
第2回 イマジン・リトル東京ショートストーリー・コンテスト >>
第3回 イマジン・リトル東京ショートストーリー・コンテスト >>
第4回 イマジン・リトル東京ショートストーリー・コンテスト >>
第5回 イマジン・リトル東京ショートストーリー・コンテスト >>
第6回 イマジン・リトル東京ショートストーリー・コンテスト >>
第7回 イマジン・リトル東京ショートストーリー・コンテスト >>
第8回 イマジン・リトル東京ショートストーリー・コンテスト >>
第9回 イマジン・リトル東京ショートストーリー・コンテスト >>
このシリーズのストーリー
千羽鶴
2023年5月21日 • ジョセリン・ドーン
隣の店から運ばれてくる、つきたての餅の香りを運ぶそよ風に迎えられながら、私は鮮やかな竹の茎と垂れ下がる藤のつるが並ぶ馴染みの小道を祖母の鶴見明美の元へと歩いていった。彼女のしわが寄った、しかししっかりした手は、彼女を囲む輪になった色とりどりの紙を愛撫するかのように、忠実な信者たちの中の女神のようだった。私は、祖母のタコのついた指先から流れ出る魔法を目にしたいと思い、足取りを緩め始めた。ひと呼吸。ひと呼吸。藤の花の香りと竹の力強いエッセンスが息に充満する。そして、虚ろでありな…