第21回 テキサス州の日系人
「百年史」は、「第十五章テキサス州」に36ページを割いている。ここで紹介されている日本人は、他のたいていの諸州の章に登場するこれまでの日本人移民と、その活動の内容が異なる。テキサスでは、出稼ぎ労働者的な移民もいるが、際立つのはおもに米作のために、日本から資本を投下して入植地を作ろうとする試みである。
入植事業にかかわったものをはじめ、初期の移民のなかで目立った活動やユニークな例などをエピソードを交えて読者をひきつけている。
こうした例を、いくつかまとめて再録するが、その前に、テキサスにおける日本人の存在の概説が書かれているので、それをまとめてみる。
日本人とテキサスの記録に残る最初の関係は、綿花取引に関わり1895…