中町 泰子
(なかまち・やすこ)
歴史民俗資料学博士。神奈川大学日本常民文化研究所・特別研究員。民俗学、文化史を専攻し、占いと食文化に関心を持っている。辻占という占いを調査する過程で、アメリカのフォーチュンクッキーと日本の辻占菓子の深い関係に気付いて研究中。中町泰子「辻占菓子についての一考察―運をひらく・縁をむすぶ―」『和菓子』11号 2004虎屋文庫
(2012年10月 更新)
この執筆者によるストーリー
ニッケイ物語 1 — いただきます!ニッケイ食文化を味わう
日系チャプスイレストランとフォーチュンクッキー
2012年10月4日 • 中町 泰子
アメリカでは、フォーチュンクッキーの起源についての関心が高い。フィッツアーマン・ブルーの研究に拠れば、アメリカ全域で行われるフォーチュンクッキーサービスの端緒は、第二次世界大戦直後のチャプスイレストランにあるとされる。 チャプスイはアメリカ風中華料理で、豚や鶏肉といった肉類と野菜類を炒め、スープを加えて煮た後にとろみをつけた料理だ。1945年、サンフランシスコの海軍基地に帰還したアメリカ人兵士達は、中国系チャプスイレストランでサービスに出されたフォーチュンクッキーを初めて…