水越 優美

(みずこし・ゆみ)

ロサンゼルスの日本語情報誌記者。石川県生まれ、LA在住。大阪大学卒業後、地元の新聞社で記者・編集者。5年後退職し、バンクーバー留学を経て、2015年から現職。アメリカで活躍する日本人や日系コミュニティー、日系人の歴史をはじめ、ロサンゼルスのエンターテインメント、スポーツ、ビジネスなど、あれこれ欲張って取材中。好きな場所は本屋。好きな本は「峠」。
Instagram: www.instagram.com/yumi.mizukoshi.12

(2016年8月 更新)

identity ja

日系アメリカ人との出会い

おじいさんやおばあさんが英語を話している!約1年前、日本から来たばかりの私は、たったそれだけのことに、ひどく衝撃を受けた。それまで暮らしていた日本では、(田舎だったからかもしれないけれど)ご高齢の方が英語を話すのを見たことがなかった。そもそも、若い人だって苦労しているのに、見た目はうちのおばあちゃんと変わらない人たちが、流ちょうに英語を操っているなんて、信じられない。それほど私は「日系人」のことを何も知らなかった。 日系人に興味を持ったきっかけは、全米日系人博物館を訪れたことだ。楽しみにしていたハロー・キティ展を見終わり、日系人の歴史を紹介する常設展を何気なく見て回っていた。日本語の説明を読んでいると、「日本語で説明しましょうか」とボランティアのおじいさんに呼び止められた。それから約1時間、マンツーマンのVIPツアーが始まった。日本で真面目に歴史を学んだはずだったのに、収容所の生活も442連隊の存在も、初めて知ることばかりだった。マンザナー収容所の模型を前に、「本当にこんなことが起こったのだろうか」と、不思議な気持ちになった。 「ここから車で行けますよ」と教えてもらったので、2015年8月、仕事を兼ねてマンザナー収容所に向かった。私が働く日系情報誌で、戦後70年の特集として取り上げようと思ったのだ。ロサンゼルスから車で約5時間。山と岩と砂以外何にもない場所に、体育館のよう…

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