ディスカバー・ニッケイ

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深沢 正雪

(ふかさわ・まさゆき)

@masayukifukasawa

1965年11月22日、静岡県沼津市生まれ。92年にブラジル初渡航し、邦字紙パウリスタ新聞で研修記者。95年にいったん帰国し、群馬県大泉町でブラジル人と共に工場労働を体験、その知見をまとめたものが99年の潮ノンフィクション賞を受賞、『パラレル・ワールド』(潮出版)として出版。99年から再渡伯。01年からニッケイ新聞に勤務、04年から編集長。2022年からブラジル日報編集長。

(2022年1月 更新)


この執筆者によるストーリー

青年海外協力隊員から陶彫作家、モジお茶屋敷へ — その1

2020年3月18日 • 深沢 正雪

来社対応を終えて、なにげなく編集部入口の古本売り場をみたら、見覚えのある特徴的なヒゲを持つ男性の後姿がみえた。「珍しい人が来られましたね」と声をかけたら、やっぱりモジ市コクエラ在住の陶芸家・中谷哲昇さん(あきのり、76、大阪府大阪市出身)だった。 中谷さんは「本を出したんで、持ってきたんです」と自分の作品集『AKINORI NAKATANI sua obra e sua vida』(ポルトガル語、Enock Sacramento, Giovana Delagracia…

有名日系経営者と日本語で許しを乞う乞食の格差

2019年10月30日 • 深沢 正雪

「セグランサ(治安)の問題があるから、名前と写真は出さないでくれ」――8月28日夜、聖市のジャパン・ハウス内のレストラン藍染で行われた、TOTOの便座およびウォシュレット製品の発売開始式で、それを専売するFAST SHOP創業者である日系人に初めて会い、話をしていてそう釘を刺された。 FAST SHOPは全伯9州に101店舗を展開する大手家電販売チェーン店だ。スマホやコンピューターなどの情報家電から、液晶テレビ、洗濯機、冷蔵庫、調理家電など幅広い商品を扱う。だが「安かろう…

表現の自由のために、軍政と闘った日系漫画ゲリラたち

2019年4月8日 • 深沢 正雪

戦車と機関銃で言論を統制したブラジル軍事政権(1964―85年)に対し、表現の自由のためにMangaという武器をとって戦った日系の若者たちがいた。 3月17日のブラジル漫画家協会(Abrademi)35周年で顕彰された3人は、みなEDREL出版(Editora De Revistas E Livros)の関係者だった。この出版社がブラジルで最初に日本式漫画を出版した会社であり、その主力メンバーは当時20代の日系二世ばかりだった。 その唯一の生き残り、福江豊パウロさん…

ブラジルを「故郷」にするなら桜を植えよう — 郷愁とブラジル日本移民 - その2

2018年12月21日 • 深沢 正雪

その1を読む >> ブラジルを「故郷」にするなら桜を植えよう 戦前移民にとって桜を見ることは夢だった。日本にしかないものだったからだ。 胡椒、黄麻、紅茶、数々の野菜など商品作物の苗や種は、戦前からブラジルに持ち込まれていた。だが桜の苗が、ブラジルに持ち込まれるようになったのは戦後。これは、なぜだろうか。 島田さんの話を聞きながら、「花咲じじい」と言われた故西谷博さん(1919―2015)を取材した時のことを思い出した。 サンパウロのカルモ公園に桜を植え始めた一人で…

ブラジルを「故郷」にするなら桜を植えよう — 郷愁とブラジル日本移民 - その1

2018年12月20日 • 深沢 正雪

「静岡の茶畑そっくりだ」―サンパウロ市から南西に190キロほど下った海岸部レジストロの茶畑に取材に行き、故郷の光景を思い出した。 といっても、緑茶ではなく紅茶だ。聞けば、原料となる茶葉は緑茶も紅茶も一緒だが、加工工程が違うのだという。お茶畑がそっくりなワケだ。 ブラジルは「コーヒー王国」と言われて久しい。だが、かつてそこに日本移民が「紅茶の都」を作ったことは余り知られていない。 最盛期の80年代には、このレジストロだけでお茶工場が42もあった。紅茶は国内消費がごく少な…

特別座談会: 四世ビザはどうあるべきか?=日伯交流の将来担う人材育成の枠組みとして=
最終回 ワーキングホリデービザの可能性

2018年11月26日 • 深沢 正雪

第10回を読む>> 【永井】あれ、まだワーキングホリデー(WH)の話をしていないですけど…。 【深沢】ああ、そうだWH! 【永井】これは重要じゃないですか(笑) 【深沢】やっぱり日系人だけのビザ制度だと手落ちですよね。日本のことが好きなブラジル人にも日本を体験できるような制度としてWH、日伯の間で協定を結んで、ぜひ1万人くらいの規模でやってほしいですね。すでにアルゼンチン、チリでは始まっているんですから、ブラジルでも是非。 【永井】特に最近なんですけ…

特別座談会: 四世ビザはどうあるべきか?=日伯交流の将来担う人材育成の枠組みとして=
第10回 ブラジルと日本の緩衝地帯としての日系社会

2018年11月19日 • 深沢 正雪

第9回を読む >> 【永井】でも日系人が伝統を残すのは何なんでなんしょうね。アジアの人の特徴なんですかね。 【深沢】ブラジル社会のベースとなる欧州文化と「違うから」というのと、僕が個人的に思うんですけど「差別されるほど文化やコミュニティは残る」っていうことじゃないかと。差別されるからお互いの反作用で文化が根ずく、残っていく。たぶん日本に行った日系人は、日本育ちの次世代になったら、酷い差別を日本人から受けなければ「ほぼ日本人」になってると思う。 日系人は血縁ですから、日…

特別座談会: 四世ビザはどうあるべきか?=日伯交流の将来担う人材育成の枠組みとして=
第9回 増え続ける外国人労働者

2018年11月12日 • 深沢 正雪

第8回を読む >>  日本のコンビニに日本人が働いていない?  【永井】日本の外国人統計を見ればわかりますけれど、私が日本からブラジルに来たときに、ベトナムの方って10万人くらいだったんですよ。それがこの3年でもう26万人になっている。16万人も増えちゃってるんですよ。だから、たまに一時帰国した人と話すと「日本のコンビニエンスストアにいっても、日本人なんか一人も働いていない」と。 【島野】中国人ですね。 【永井】中国の人とベトナムのひと。 【島野】イ…

特別座談会: 四世ビザはどうあるべきか?=日伯交流の将来担う人材育成の枠組みとして=
第8回 日本に帰化するメリット、デメリット

2018年11月5日 • 深沢 正雪

第7回を読む >> 【永井】そうなんですよね。だからブラジルの場合は面白いですけど、ブラジルで生まれたらブラジル人じゃないですか。で、日本で生まれてもブラジル人なんですよね。 まあ、いろいろ憲法が変わって一時期、外国で生まれると無国籍になっちゃう時期もありましたけれど、今は日本などの外国で生まれた子供でも、ブラジル人の子はみんなブラジル人になる。日本人の場合は、日本で外国人の子供が生まれた場合は日本人にはなれない。で、日本人の子が外国で生まれても届出しないと日本人になれ…

特別座談会: 四世ビザはどうあるべきか?=日伯交流の将来担う人材育成の枠組みとして=
第7回 枠組みとしての「呼び寄せ」システム

2018年10月29日 • 深沢 正雪

第6回を読む>> 日本にも「呼び寄せビザ」があれば良いのでは  【深沢】それで思ったんですけど、大半の日系人には日本ですでに永住・定住している親戚がいるような状態ですよね。 だから、その人たちが「呼び寄せる」って言う形もありじゃないかと。で、その人たちが呼び寄せるんだったら、結果的にサポーター的な役割をすることになる。今回の制度でも、サポーターには「永住者資格」のブラジル人でもなれる訳ですから、日本の親戚と連絡をとってバンバンとサポーターになってもらって、その親戚が働…

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