ディスカバー・ニッケイ

https://www.discovernikkei.org/ja/journal/2010/02/15/

二世週日本祭 - クイーン(女王)に沖縄県系4世・デイナ・フジコ・ヘザートンさん-

2009年8月15日第69回二世ウィークのコロネーション・ボール(戴冠式典)はリトル東京の日米劇場で開催され、パサデナ日系文化会館推薦のデイナ・フジコ・ヘザートンさんがクイーンに輝いた。女王はじめ、7人の候補者の内4人が沖縄県系である。

着物姿でクイーンのクラウンをかぶりインタービューに応じるデイナさん

女王に輝いたデイナさんは「小さいころから祖父母に連れられてリトル東京を訪ね、日系社会と関わってきました」と語り、俳優で司会のタムリン・トミタさんやABCテレビのアンカー、デイヴィッド・オノさんらと肩を抱き合った。

二世ウイーク・クイーンの役割は重大でアメリカと日本の親善大使を務め、ロサンゼルス市と名古屋市の姉妹都市関係強化のため名古屋を訪れたり、日系団体の代表として多くのイベントに出席したりで、終生「二世ウイーク・クイーン」の名前は消えることなく、大きな栄誉となる。沖縄県系ではシャネル・キクエ・ハマバタさん(97年)、タムリン・トミタさん(84年)らがいる。

デイナさん(25)はカリフォルニア州立大学LA校(UCLA)卒業、アメリカ文学と文化を専攻した。現在はロサンゼルス・ダウンタウンでキャピタルグループ社の金融関係の仕事に従事している。自由時間をバスケットボールに興じ、LAの歴史の研究、映画館へ行くのが趣味である。今年の秋には法律学校に進学、法曹関係の仕事を夢見る。何時の日か博物館を開きLAの歴史の一旦に貢献したいとの意欲に燃える。

デイナさんの曾祖父は糸村牛之助さんで沖縄県大宜味村の出身、孫のジュディー及びステイシー糸村さんらもロサンゼルス上町に沖縄クラブハウスがあったときに良く出入りしていた、と話す。牛之助さんは良くデイナさんに「あなたはオキナワンであることを心に銘記するように」と諭したそうだ。家族全員がそのことを誇りにしてきた。現在南カリフォルニア大学(USC)の博士課程で学ぶ姉のクリスティーさんも含めて家族ほとんどが松林流空手道場で琉球空手を学んだ。この道場がデイナさんのスポンサー・パサデナ日系協会の強力推進団体の後押をした。

母親のリンダ・イノウエさん(左)、クイーンのデイナさん(中央)、姉のクリスティーさん(右)  

デイナさんの父親・ヘザートンさんは芸能一家である。叔母のアウント・ヘザートンさんは女優・歌手・ニューヨークのブロードウェイで活躍した。祖父はニューヨークでテレビの子供番組を持った。父親は長い間ロサンゼルスとニューヨークでラジオのディスク・ジョッキーをした。デイナさんの母親は日系3世で、祖母と一緒に映画「王様と私」、「八月十五夜の茶屋」などに出演した。

「日本本土は4回訪問したが、沖縄はまだない。機会を見て近いうちにぜひ実現させたいと思っています。今年の沖縄県人会の役員就任式に始めて出席して700人参加者がありその規模の大きさに感嘆した。早速新会員になった。今後も日系コミュニティーの一員として大きく貢献したい」とデイナさんは抱負を語った。

今年の1月24日に開催された日商の役員就任式典に参加したデイナさん(右)と母のリンダ・イノウエさん(左)、アルハンブラ市のアルマンサー・コートにて。

*本稿は、琉球新報へ掲載のために書かれた記事です。

© 2010 Sadao Tome

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執筆者について

1941年8月、沖縄県本部町生まれ。学習研究社などの勤務を経て1969年に渡米。グレンデール市立大卒、カリフォルニア州立大(CSULA)に編入・中退。2005年、6年の2年間北米沖縄県人会会長歴任。現在「北米沖縄県人会歴史書編纂」委員長。琉球新報アメリカ通信員。08年に日本エッセイスト・クラブ会員に認定される。著書「アメリカに生きる」。

(2011年1月 更新)

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