(英語) (男の人が)兄を迎えに来た時、母は決して涙を見せませんでした。母は微笑み「誰が何と言っても、あなたはアメリカ人なのよ。オヤマ家の恥にならないようにね」と言いました。父親なしで育ったので、家名を傷つけるようなことがあってはなりませんでしたからね。「アメリカの為に戦うのよ。ここがあなたの国なんだから」母はそう言い、兄が行ってしまうと(一人で)家に戻って行きました。
するとどうでしょう!私が家に戻ると、母は寝室に鍵をかけ大泣きしているではありませんか! 私は母のそういうところを尊敬しているんです。父親なしで育った私たちのためにも、母は気丈に振舞い、弱いところは絶対に見せませんでした。だから私たちもやっていけたのです。
私たちは結束の強い家族でした。母が泣いているのを聞いたのはあの時だけだったと思います。未亡人であり、シングルマザーだったのは、大変な苦労だったと思いますよ。母は一度だけ私たちを置いて家を出ようとしましたが、何かをふっきりたかったんでしょうね。(その時は)隣り近所の人たちが止めに来てくれました。私も結婚してようやく移民時代がどれだけ大変だったかわかりました。日本にいる家族と離れ、親戚の手もかりず自分だけで生きていくすべを学んだのですから。
日付: 2004年2月19日
場所: 米国、ハワイ州
Interviewer: リサ・イタガキ、クリッシー・キム
Contributed by: 全米日系人博物館、ワタセ・メディア・アーツ・センター