復興に影落とす人口減
3月11日に震災4年目を迎えた。遅々とした歩みだが、被災地は着実に復興に向かっている。集団移転先の整地。災害公営住宅の建設。店舗・工場の修繕と建替え。鉄道の復旧。事業の再開。速度に違いはあるものの、日々変わり続ける日常の風景の中に街の再興を感じ取ることができる。
しかし、子細にその歩みを見てみると、各地一様ではない。原発の影響を受ける地域と受けない地域。内陸部と沿岸部。都市部と農漁村部。どのような切り口でアプローチするかによって、その断面はいかようにも映る。
岩手県の沿岸部に位置する大槌町は、水産業を中心とする町だ。人口は1万2,600人ほど(2014年5月現在)。津波により流失した家屋は2,506棟。震災と津波によ…