デカセギ・ストーリー

1988年、デカセギのニュースを読んで思いつきました。「これは小説のよいテーマになるかも」。しかし、まさか自分自身がこの「デカセギ」の著者になるとは・・・

1990年、最初の小説が完成、ラスト・シーンで主人公のキミコが日本にデカセギへ。それから11年たち、短編小説の依頼があったとき、やはりデカセギのテーマを選びました。そして、2008年には私自身もデカセギの体験をして、いろいろな疑問を抱くようになりました。「デカセギって、何?」「デカセギの居場所は何処?」

デカセギはとても複雑な世界に居ると実感しました。

このシリーズを通して、そんな疑問を一緒に考えていければと思っています。

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第二話 キミコ、24年後

そうですね、あれは1988年4月のことでした。私は27人の女性だけの団体の一人として、日本にデカセギに行くことになっていました。初めての女性だけの団体だったのでとても話題になりました。新聞記者やテレビ局が空港に来ていて、記者たちは私たちに「どうして日本へ」とインタービューしましたが、私は緊張していて何も言えませんでした。でも、ほかの人は必死に理由を述べていたので、エライなぁ、と思いました。「だってブラジルに居たら食べるのも大変だもの」「子どもの学費でも稼げたらいいなと思って」「旦那も子どももいないから、生きていくためのお金が必要だから」など。

みんな、理由は様々でも、お金が稼げるということで日本へ行く決心をしたようで...

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第一話 ケンジンニョはブラジルを発見した!

新しい学校での初めての日、大変な下痢のため、少年は学校に行けなかった。

母親は心配した。フェイジョアーダがあたったのかと思った。

しかし、少年は内心ではちゃんと分かっていた、どうしてそうなったのか。前の学校の友だちは言った。「向こうはガイジンだけだよ」

「どうしよう?」今までずっと山に囲まれた小さな町に暮らしていた少年は地球の反対側にやってきた。「イラセマばあちゃんの家ではさっぱり分からない言葉でみんなが話す。学校でも同じなのかなぁ」と、とても不安だったのだ。

気持ちを入れ替えて次の日には学校へ行った。母親は学校の門まで一緒だった。少年は焦って、母に「チャオ」も言わずに校門をくぐった。

校庭は少年と少女であふれていた...

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