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アメリカの日本語媒体

第4回 1999年創刊『週刊ベイスポ』— ベイエリアで愛される週刊紙

SFの無料媒体の先駆け

生活情報全般を扱う『週刊ベイスポ』

最近、フェイスブック内のコミュニティー、「在米日本人」を覗くことが多い。そのコミュニティー内でよく見かける投稿が、「●●エリアに引っ越します。現地のお勧めの日本語情報誌を教えてください」というもの。南カリフォルニア在住の筆者にとって、それがロサンゼルスの話ならすぐに私からもお勧めの媒体を書き込めるのだが、同じカリフォルニアでもベイエリアの日本語媒体事情には正直疎い。そこで、一方的に傍観者的に見ているわけだが、ベイエリアのお勧め日本語メディアとして現地在住者から挙げられるのが『週刊ベイスポ』だ。発行人の小野里晃さんに話を聞いた。

「『週刊ベイスポ』は1999年に創刊しました。サンフランシスコやシリコンバレーを含むベイエリアに毎週2万部発行しています。読者は全方位の老若男女です。この地域には日本人が5万人から6万人在住していると言われています」。

創刊のきっかけは、「野茂英雄の試合を見るためにロサンゼルスに通っていた時に目にした『日刊サン』」だと小野里さんは振り返る。『日刊サン』と言えば、ロサンゼルスで発行されているスポーツとエンターテインメントを中心にカバーする日本語新聞だ。「1995年当時、ロサンゼルスに来るたびにあの新聞を読むのをとても楽しみにしていたのです。サンフランシスコにもこんな新聞が欲しいとずっと思っていました。そこで、私自身が発行人となり、日刊ではなく週刊にして、スポーツと芸能、ローカルのトピックを掲載する週刊紙として誕生させました」。

それまで、ベイエリアは有料媒体の天下だった。「ロサンゼルスには『ライトハウス』や『ブリッジUSA』、そして『日刊サン』のような無料紙がありましたが、サンフランシスコで読まれていたのは『朝日新聞』、『北米毎日』、『日米時事』といった有料のものばかりでした。今まで生き残ることができた秘訣?日本のスポーツと芸能の情報に関しては日本のスポーツ新聞社と提携して入手、また時事ネタは通信社から購入しました。こうすることで日本の最新情報を掲載しながら、(人件費などの)コストを下げることができたことが大きかったと思います。日本の情報を読みたいという読者のニーズにもマッチし、さらに先ほど申し上げたように、他に日本語の無料紙がなかったこともうまく受け入れてもらえた要因だと思います」。

その後、インターネットで日本のスポーツと芸能情報を入手できるようになると、『週刊ベイスポ』もコンテンツに変化が見られるようになった。より地元の生活情報に紙面が割かれるようになったのだ。「現在ではレストラン情報はもちろん、クラシファイドに至るまで生活情報全般をカバーしています。今、読者からよく読まれているのは、商業開発や犯罪に関することなど、ローカルのトピックです。肩に力を入れずに、ベイエリアで今何が起こっているのかを気軽に日本語で読んでもらえるという点に需要があるんじゃないかと分析しています」。

情報が集まってくる 

2021年現在は「ベイエリアに『週刊ベイスポ』あり」と定着した人気を保持しているが、ここに来るまでの苦労談を聞こうとすると、小野里さんは次のように答えた。「苦労したのは、創刊当初の半年間です。無料なのにピックアップしてもらえない、ピックアップしてもらえないから広告を集めるのも難しいという悪循環に陥っていました。しかし、手に取ってもらえるようになると、あとはもう読者の方にとっては(ピックアップが)習慣となり、ずっと今に至ります。ただ、パンデミックの間はやはり大変でしたね。広告の出稿主の事業が大変な状況で、広告どころの騒ぎではなくなりました。そこでうちのスタッフがクライアントのところに出向いて何かお手伝いできることがないか、と関係性を維持することに努めました」。

大変な時も出し続けることが大切なのだと小野里さんは言う。「長くやっているので、自然とうちに(ベイエリアの日系社会の)情報が集まってくるのです。また、シリコンバレーはグーグルやアップルの本社があり、非常にビジネスが活発なエリアです。日本からの人がどんどん当地に移住してきます。コロナまでは、日本人人口が増え続けていました」。

さらに、小野里さんの会社では出版社として、年一度、ベイエリアの生活情報をまとめたムック『eじゃん』も発行している。今後のビジョンを聞くと、「オンライン化に本腰を入れていきます。紙面の情報を電子版としてサイトで見られるだけでなく、ウェブサイト独自のコンテンツも拡充していく予定です」と、エリア外の読者にとっても楽しみな計画を話してくれた。

「しゃぶしゃぶ屋さんになっていたかもしれない。でも人と出会えるメディアの仕事で良かった」と笑顔で語る発行人の小野里さん。

小野里さんは最後に、創刊しようとしていた22年前のエピソードに触れた。「野茂の試合をロサンゼルスに見に行っていた時に、リトルトーキョーの一人しゃぶしゃぶの店がお気に入りだったんです。それで、『週刊ベイスポ』の創刊準備で日本のスポーツ新聞社と話を詰めていた時、なかなかいい返事がもらえなかったので、新聞発行は諦めて、サンフランシスコでしゃぶしゃぶの店を開けようかと方向転換しようとしていました。そんな矢先、スポーツ新聞社が返事をしてきてくれたために、しゃぶしゃぶ屋の方はやめました。あの時、もし、しゃぶしゃぶの方に進んでいればビジネスとしてはもっと儲かっていたかもしれないですね(笑)。でも、やっぱりメディアで良かったと思っています。色々な人と出会える楽しい仕事だし、何より現地の日本のコミュニティーから求められているという実感が得られますから」。「小野里さんがしゃぶしゃぶビジネスに進まなくて良かった」、そう思っているのは本人以上にベイエリアの読者たちに違いない。

公式サイト『週刊ベイスポ

 

© 2021 Keiko Fukuda

community Japanese Magazine San Francisco Shukan Bayspo

Sobre esta serie

アメリカ各地で発行されている有料紙、無料紙、新聞、雑誌などの日本語媒体の歴史、特徴、読者層、課題、今後のビジョンについて現場を担う編集者に聞くシリーズ。