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https://www.discovernikkei.org/es/journal/2013/4/4/4840/

あのときの少年たちはいずこへ ― 沖縄県系日系二世ピーター・オオタさんと沖縄の少年兵たち - その1/3

オオタさん“だけ”の戦争体験

オレンジ郡はタスティン(Tustin)市内に住むピーター・オオタ(Peter Ota)さんは、沖縄出身(現在の沖縄県うるま市)の日系一世を父に持つ、沖縄県系の日系二世です。彼は羅府で生まれ育ち、日米戦争が始まると彼は家族と共にコロラド州の収容施設に送られました。その後、ほかの二世の若者と同じく、彼は収容施設からアメリカ軍に入隊しました。陸軍の基礎訓練を経て、彼は情報部隊の一員となるべく、日本語の習得に励む毎日を過ごしました。

ところが、日本語を習得した彼に与えられた運命は、誰もが予想しないものでした。それは、世界各地の戦地における日本軍の諜報活動でもなく、敗戦後の日本への進駐軍の一員でもなかったのです。彼に与えられたものは、サンフランシスコ湾に浮かぶ小さな島エンジェル島での任務でした。そこは、かつて太平洋を横断したアメリカへの移住者が新天地にたどり着いたとき、最初に足を踏みいれる地でもあり、東海岸のエリス島とともに移民の審査が行われる地として、アメリカの歴史にその名を残しています。

この小さな島での任務を命じられた日系二世は、オオタさんを含め5人いました。第2次世界大戦当時、エンジェル島には敵国の戦争捕虜が一時的に収容されていました。オオタさんたちは、主に南洋の諸地域(ガダルカナルやラバウルなど)でアメリカ軍の捕虜となった日本の軍人を尋問するさいの通訳をつとめました。

エンジェル島で見た沖縄の少年兵たち

ある日のこと、オオタさんたちは「信じられない光景」を目にしました。

「日本の少年たちがいたので、すごく驚きました」(オオタさん)

今も昔も、未成年者を徴兵することは人道上あってはならないことですが、オオタさんは戦争捕虜のなかに数十名の少年たちがいたことに、驚愕しました。そして、まもなく彼はこの少年たちが沖縄戦の捕虜であることを知りました。彼らはしばらくの間、この島で身柄を拘束されてましたが、戦争が終わるとまもなく、彼らはこの島から姿を消しました。

沖縄戦の捕虜としてエンジェル島に連れてこられた少年たちの姿は、沖縄県系の日系人であるオオタさんにとっては、非常に印象深い存在となりました。彼は、沖縄というアイデンティティをとおして、捕虜となった少年兵たちに特別な思いをいだくようになりました。

エンジェル島での任務が終わると、オオタさんは陸軍を名誉除隊され、会計士の資格を取り、家族とともにオレンジ郡のラ・ミラーダ(La Mirada)市内に住むようになりました。会計士としてアメリカ社会で活躍し、さらには2児の父親になりました。オオタさんは充実した生活を送ってはいましたが、従軍していたときに見た少年兵の姿を思い出すことがありました。その度に、彼らはなぜエンジェル島に送られたのか。彼らの戦後の人生はどのようなものであったのかと、気にするようになりました。

1980年代、オオタさんはリドレス活動に積極的に参加をしました。特に、羅府で行われたCWIRC(第2次世界大戦下における一般市民の人権侵害にかんする調査委員会* *邦訳は著者による意訳)のヒアリングのさいには、証言台に立ち、自らの戦争体験を多くの人々の前で語りました。

戦争は、さまざまな記憶を人々の脳裏に焼きつけます。ときには、ひどいトラウマとなって人々を苦しめることもあります。オオタさんにとって、未成年少年兵の尋問というショッキングな体験は、今なお彼の心の奥深くに刻み込まれているのです。

突然決まった沖縄訪問

さて、このオオタさんの話は、わたしのボスである上村さん(Susan Shoho-Uyemura)が2007年に行ったオーラル・ヒストリーがベースになっています。オオタさんは、このインタビューが行われたとき、上村さんにあの当時エンジェル島で見かけた沖縄の少年たちが今は何をしているか調べてほしいと頼みました。

上村さんは、オオタさんが持っていた当時のサンフランシスコ・クロニクル紙の記事などをたよりに、日系軍人協会(JAVA)などに問い合わせるなどして、オオタさん以外に当時エンジェル島に駐屯した日系二世の所在をたどりました。しかしながら、オオタさん以外の4人の二世兵士のうち、まだ元気なのがオオタさんだけであることが分かりました。

年が明けて、わたしは上村さんに、エンジェル島にいた沖縄の少年兵たちについて調べてほしいと頼まれました。さっそく、わたしは沖縄県内の主要なマスコミ各社や県庁などに当時の沖縄の少年兵たちに関する問いあわせをしました。

すると、まもなくして沖縄タイムス社の安里記者から、彼らに関する記事を出したいとの連絡がありました。わたしは、すぐにオオタさんの写真や、当時のサンフランシスコ・クロニクル紙の記事のコピーを送りました。すると、数日のうちに沖縄タイムスにオオタさんの記事が掲載され、それはインターネット上でも閲覧ができるようになりました。(現在はこの記事はオンラインアクセスできません。)

その記事が発行された夜、自宅に一本の電話がかかってきました。現在は沖縄バヤリースの会長をつとめている安里祥徳さんからでした。安里さんはエンジェル島へ収容された少年兵のひとりだと電話越しに教えてくれました。これを聞いたわたしは、心の底から嬉しさがこみあげてきました。

安里さんをはじめ、当時、沖縄からエンジェル島へ送られた少年兵たちは、鉄血勤皇隊という組織に所属しており、沖縄戦のさなかアメリカ軍の捕虜となり、エンジェル島へ収容されたということがわかりました。

数日後、安里さんが中心となって、彼の知る元鉄血勤皇隊の人々、沖縄タイムスの安里記者、さらには琉球新報社の内間記者、沖縄県内で活躍されている上原正稔さんらを集めてくれることになりました。

2008年4月、彼らから直接話を聞くため、わたしは那覇へ向かいました。

その2 >>

© 2013 Takamichi Go

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Acerca del Autor

En la Universidad de Orange Coast, la Universidad Estatal de California en Fullerton y la Universidad de la ciudad de Yokohama, estudió la historia de la sociedad estadounidense y la sociedad estadounidense de Asia y Oceanía, incluida la historia de la sociedad estadounidense de origen japonés. Actualmente, aunque está afiliado a varias sociedades académicas, continúa investigando de forma independiente la historia de la comunidad Nikkei, particularmente para "conectar" la comunidad Nikkei y la sociedad japonesa. Además, desde la posición única de los japoneses con vínculos con países extranjeros, expreso activamente mis opiniones sobre la coexistencia multicultural en la sociedad japonesa, al tiempo que hago sonar la alarma sobre las tendencias introspectivas e incluso xenófobas en la sociedad japonesa actual.

(Actualizado en diciembre de 2016)

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