第3回『マンザナールよ さらば』
マンザナールとは、日米開戦後に日系人を隔離するためにつくられた全米10ヵ所の収容所の一つである。そこは、カリフォルニア州の東部、西にシエラネヴァダ山脈が迫る荒涼とした地だった。
『マンザナールよさらば‐強制収容された日系少女の心の記録』は、この収容所で3年半を家族とともに過ごした少女の目を通した、収容所の生活を中心とした、日系人としての戦中・戦後の記録(ノンフィクション)である。
原題は「Farewell to Manzanar」で、1973年にアメリカ、カナダで同時出版され、その2年後に日本で「現代史研究会」から権寧(ごん・ねい)の訳により出版された。著者はジャンヌ・ワカツキ・ヒューストンとジェームズ・D・ヒュース…