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The Nikkei of Latin America and Latino Nikkei

2021年パラグアイCOPANI ~ 私の願い-その1

第1回目のCOPANI(Convención Panamericana Nikkei パンアメリカン日系人大会)は1981年にメキシコシティーで開催され、昨年9月にはサンフランシスコで第20回大会が行われた。ここまでCOPANIが続けられた背景には、創設者の一人でメキシコの日系二世、実業家のカルロス春日氏の貢献は無視できないだろう1。北米でCOPANIが開催されたのは、1989年のロサンゼルス大会、2001年のニューヨーク大会、2005年のバンクーバー大会に引き続き今回で4回目で、アメリカ合衆国では3回目の開催であった。サンフランシスコ大会には、少ない実行委員ながらも、約250人が参加した。15年ぶりの北米での開催ということもあり、サンフランシスコのコミュニティ紙『日米ウィークリー』は大会の詳細をとりあげた2。アメリカならではのトピックもあり、中南米や日本から参加した者にとってはやはり元運輸長官のノーマン峯田(ミネタ)氏の基調講演及び出席はとても大きな存在であった。私は、初日の午後に「ラテンアメリカの日系人と日系団体の持続性」というテーマで発表し、微力ながら貢献させてもらった。

COPANIサンフランスコ2019年、実行委員長のロジ・オヤマ氏、メインスピーカーのノーマン・ミネタ元運輸長官、日本からの参加者(浅香先生、外務省の佐藤悟大使、サンフランススコ総領事、春日財団のシバヤマ・ヤヨイ氏、海外日系人協会の田中理事長、領事館員)、副委員長の長瀬飛鳥アン氏、ワークショップの様子。

私が初めてCOPANIに参加したのは、1987年のブエノスアイレス大会だった。当時政治・国際関係学部の大学生だった私は、まだ発足したばかりで日系二世が中心のアルゼンチン・セントロ日系(Centro Nikkei Argentino3)という団体を通して、実行委員の一員として会長らのスピーチを書いたり、来賓客の儀礼関係を手伝った。会場となったシェラトンにそれまでは行ったこともなく、アメリカ大陸各地から来亜した日系指導者たちを眺めながら気持ちが高ぶったことを昨日のように覚えている。開会式には、ビクトル・マルティーネス副大統領やブエノスアイレス市長、そして参加者出身国の大使館員が来賓客として出席された。VIP対応がとても大変だったことも今でもよく記憶している。COPANI実行委員として参加したことで、様々な会社や公的機関、日系企業で働いていた多数の先輩二世と接することができ、ワクワクしながら多くの刺激を受けた。COPANIの重要性、特にCOPANIがもたらす中南米、北米、そして日本をつなぐ大事なネットワークを自分なりに認識したのもこの時だった。

しかし、その後大学を卒業し留学生として来日したため、長年この大会には参加できずにいた。2003年のボリビア大会には、日本の日系就労者問題に関する様々な資料を提供することで間接的には関わってはいたが、次に参加したのは2005年のバンクーバー大会で、ようやく多くの友人や先輩と再会することができた。またそのころから里帰りを兼ねて南米諸国へ行くようにもなり、メキシコのカルロス春日氏や数人の南米日系指導者と、毎年東京で開催される海外日系人大会で会うようになり、いろいろな情報や意見交換をするようになった。

カナダ大会以降、私はすべてのCOPANI-2007年サンパウロ大会(ブラジル)、2009年モンテビデオ大会(ウルグアイ)、2011年カンクン大会(メキシコ)、2013年ブエノスアイレス大会(アルゼンチン)、2015年サント・ドミンゴ大会(ドミニカ共和国)、2017年リマ大会(ペルー)、2019年サンフランシスコ大会(米国)-に参加している。それぞれの大会で、日本の南米日系コミュニティーの様々な課題などについて発表しており、弁護士や法律関係の FOPAN (Foro Panamericano de Abogados y Profesionales del Derecho)という専門部会では、日本の司法制度、法律や法運営について発表する機会を得た。

筆者が参加したCOPANI、弁護士や法律関係者FOPANグループの会合や講演、歓迎レセプション。

隔年行われるCOPANIは、開催国が中心になって企画運営するため、どの大会にもその開催国の特徴や日系人の団結力と機動力が発揮される4。私はここ10数年は、微力ながら実行委員会の要請に沿っていろいろな提言をさせてもらっている。並行して日本の研究者や学生、政府関係者がもっとCOPANIに関心を持つように様々な場面でこの大会の重要性を紹介してきた。実際、リマやサンフランシスコ大会には、外務省の高官やJICAの上級職員が出席し、中には私的に参加する職員や大使館関係者もでるようになった5

開催にあたり、最も苦労したのはサント・ドミンゴ大会であろう。戦後移民800人前後からなるドミニカ共和国の日系コミュニティーには、当時COPANIを企画運営する日系二世団体がなかったため、国分英子氏を実行委員長とし新たな二世団体が設立された。他の大会同様創設者のカルロス春日氏の積極的な支援と助言を受けてではあるが、ゼロから若手の意識とモチベーションを盛り上げてCOPANIを開催したのである6。幸いにも多くの日系人が各国から訪れ、地元日系人にとってもいい刺激となり、ネットワーク拡大にもつながったと思われる。企画段階から関わったものとして次世代の日系人には計り知れない交流の場になったと自負している。

そして2021年には南米パラグアイの首都アスンシオンで、第21回大会が開催されることになっている。パラグアイでは1991年7月に一度行われており、その時は日本人移民研究者で作家およびパラグアイ社会の有力者であるエミ笠松氏が実行委員長を勤めた7。来年の大会では、現地の日系社会の重鎮であるマルティン奈良氏がその責務を担うことになっている。どのような大会になるのか今から楽しみである。

その2 >>

注釈:

1. COPANI(Convención Panamericana Nikkei, パンアメリカン日系人大会)は、アメリカ大陸の13の参加国にあるPANA(Panamerican Nikkei Association パンアメリカン日系人協会)という組織が、2年毎に企画し開催されることになっている。その主な目的は、南北アメリカの日系人との交流である。大会への参加の条件は緩やかで、発表者もその時の関心テーマや状況に応じて日系人・非日系人を問わず選任される。カルロス春日氏及び米大陸の組織設立については、2011年に執筆した記事または、セルヒオ・エルナンデス・ガリンド氏による記事を参照。

2. Tomo Hirai, “Hundreds of Nikkei gather in S.F. for biennial international conference,” Nichi Bei Weekly, September 26, 2019.
サンフランシスコ大会のフェイスブックには、大会の写真や編集されたビデオが掲載されている。

3. Centro Nikkei Argentinoは今も健在の団体で、現在は日系三世が中心になって活動し、日本語教室や日本文化センター的な役割を担っている。毎年10代から20代前半向けの合宿「DALE」を実施。こうしたユース向けの体験型合宿は他の南米諸国の日系社会でも行われており、メキシコではVIBRA JOVEN、パラグアイではFENIX、ペルーではMovimiento de Menores AELU、ブラジルではMovimento Jovem Brasilなどがある。このような合宿に参加した若者の中には、その国の主力日系団体もしくはスポンサー企業の財政的支援を得て、COPANIに参加するものもいる。 

4. 過去のCOPANIについては下記の記事を参照。
日本のペルー人大会、サンパウロCOPANIと海外日系人大会」(2017年12月14日)
モンテビデオCOPANIとウルグアイの動向に注目」(2010年5月20日)
カンクンCOPANIとユースの今後の課題」(2011年11月28日)
ドミニカ共和国の二世とCOPANI2015」(2015年12月2日)
ペルー日系人協会100周年記念と第19回COPANIリマ」(2018年5月4日)

5. これには安倍政権の海外日系人に対する高い関心が背景にある。外務省などを通じて在外公館やJICAも各地日系社会に対するアプローチと交流が活発になり、互いに連携しながらいろいろな事業を進めるようになった。リマ大会には外務省中南米局の林禎二参事官(当時)、JICA横浜の朝熊所長(当時)、JICAメキシコの松本所長、駐アルゼンチン日本大使館の古川領事などが参加。サンフランスコ大会には、外務省参与である「中南米日系社会連携大使」の佐藤悟氏が公式に出席した。どの大会でも、日本大使館もしくは総領事館主催のレセプションが用意される。

6. 国分英子氏は、FUNDONI(Fundación Dominicana Nikkei ドミニカ日系財団)という法人を設立し、その団体の下で協力者を募って2015年10月COPANI大会を実施し、成功させた。「ドミニカ共和国の二世とCOPANI2015」(2015年12月2日)も参照。 

7. JICAパラグアイ:「笠松 エミリア(カサマツ・エミリア)氏 インタビュー」(2018年)

 

© 2020 Alberto J. Matsumoto

2021 COPANI nikkei in latin america PANA Paraguay

About this series

Lic. Alberto Matsumoto examines the many different aspects of the Nikkei in Japan, from migration politics regarding the labor market for immigrants to acculturation with Japanese language and customs by way of primary and higher education.  He analyzes the internal experiences of Latino Nikkei in their country of origin, including their identity and personal, cultural, and social coexistence in the changing context of globalization.