第27回 夢なき人生は無意味
南フロリダの大和コロニーの一員として渡米、コロニー解体後もひとり最後まで現地にとどまり生涯を終えた森上助次は、戦後、夫(助次の弟)をなくした義理の妹一家にあてて手紙を書きつづける。前年アメリカの市民権を得てなにか一つふっ切れたのか、1968年は、自然に親しみ落ち着いた生活をしていると報告する。その一方で、人生は夢の連続、夢なき人生は無意味と豪語し、数年来打ち込んでいる自分が思い描く農園づくりに励んで必死になっている様子を示している。
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〈宮津の新聞送って〉
1968年1月×日
明ちゃん(姪)、気分は如何だ。宮津へ行った際、市役所か、商業会議所(商工会議所)でいま、宮津で新聞があるか聞…