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日本の外国人人口は200万人を超え、南米系の就労者とその世帯は約40万人に近い。90年代当初の「デカセギ」が今や「移民」となっていることに ほぼ疑いの余地はない。未だに半分近くは「いずれ本国へ帰る」と言いながらも、その言葉とは裏腹にここ数年定着率も高く(永住ビザの取得率も3割を超えて いる)、日本で家庭を持つものも増えている。南米の日系人だけではなく、フィリピンや他のアジア諸国からもいる。ここ20年ほどの新規外国人の就業人口は 約70万人。日本国にはそうした外国人を受け入れる社会的土台、法体系、政策が未整備で縦割りなまま実態は進み、移民と化しているのが現状だ。
たとえ、はじめは一定期間の出稼ぎのつもりであっても ...
ヨーロッパ諸国やカナダでは、かなり多文化共生という概念が定着しており、近年ではここ日本でもよく耳にするようになった。移民が多い国々では、特 にこの概念をもとに外国人と地元住民の共存関係を模索してきた。多文化共生とは、市民や社会レベルでの文化的多様性を指しており、異なった民族や人種の基 本的人権(この中には国連で採択されている人権規約等の普遍的な権利も含む)、市民権、社会権、参政権の獲得、及びその行使の保障を意味している。
しかし、国や社会の地域性や歴史的背景等によって、この聞こえの良い概念も一概に同じような方法で解釈し、全ての内容を適用するには限りがある。い くら普遍的な国連人権規約といえども、宗教等の異なった移民が規約の一部を拒否することもあれば、逆に受け入れ社会が文化的・伝統的・歴史的事由等から移 ...