日本財団の奨学生として日本の大学で学ぶ中南米出身の日系人留学生ら5人が7月24日、岐阜県美濃加茂市の在日ブラジル人学校(Sociedade Educacional Brazilian School)で出前授業を行った。大手メーカーの部品工場が集中し人口の1割を外国人が占める同市では、世界同時不況の影響で職を失う外国人労働者が増えているが、子供たちはいたって元気。留学生からは「子供たちの笑顔を見て安心した」との声も出た。
出前授業に参加したのは、国立がんセンターの研究生で日本財団留学生会の会長を務める岸本グスタボさん(ペルー出身)、デジタルハリウッド大学大学院でデジタルコンテンツを勉強中の猪島イーゴルさん(ブラジル出身)、奨学生として今年度から日本で学ぶ崎山メリーナさん(ブラジル出身)、山中ハナさん(同)の4人と留学生OBで現在「海外日系人協会」で留学生を支援するチリ出身の打村明さん。
出前授業は、留学生会が日系人を含む在日外国人子弟の支援を目的に2007年から全国3カ所でスタートし今回で9回目。授業には小学校から高校まで全校生徒118人のうち約80人が出席。講師役の留学生が「環境保護」や「麻薬の危険性」、「ITの可能性」などについてポルトガル語で講義を行い、夢を持つことの大切さや勉強の必要性を説明した。授業後には、「自分のやりたいことを実現するにはどうしたらいいか」といった質問…