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南米の日系人、日本のラティーノ日系人

近年の南米の経済成長と日系人たち

中南米諸国は2年前から地域の平均成長率が3%前後に低下するなど多少低迷していたが、近年の経済成長率は10%前後上昇することも珍しくなく、穀物や鉱物資源の価格高騰によって今は消費市場としても有力視されている。

ブラジルは一人当たりの年間平均所得が12,000ドル、失業率は4.6%(ここ数十年でもっとも低い)、輸出額は24兆円で、新興国の中ではリーダー的存在であり国内総生産GDPも230兆円相当という日本の半分近くまで追いつき、ラテンアメリカ(以下、ラ米)諸国全体の半分を占めている。この国やペルー等の新たな中産階級は誰もが注目したい市場である。

ペルーの人口は3,000万人、GDPが20兆円相当、一人当たりの平均年間所得が6,500ドルで、コロンビアは、4,600万人、37兆円、約8,000ドル、そして最近注目されているパラグアイは、670万人、2,5兆円、3,800ドルである。どの国に対しても投資先または市場として、関心が高まっている。

この10数年で南米諸国の人口の半分近くが中産階級の所得(国際機関によれば年収1万ドルから7万ドルという層を指しているがラ米の場合は最高3万ドルぐらいとされている)を得るようになり、これは1億5千万人が貧困層から中流になったことを意味するという。しかし、この新しい層の38%はいつ下層に落ちるか分からなず、社会的にも経済的にも不安定であると、ECLA-CEPAL(国連ラ米・カリブ経済委員会)の専門家は指摘している。

南米の優等生チリの場合は、1,700万人、26兆円相当、15,000ドルという状況である。次いでウルグアイは横浜より少ない人口330万人だが、GDPが約5兆円で、一人当たりの所得が14,000ドルである。よって、この二カ国は南米の中でもっとも成熟している社会で政治的・経済的にも安定していると言える。

チリの首都サンチアゴのビジネス街の高級ホテル内

そしてアルゼンチン(4,100万人、47兆円、11,000ドル)は、その市場規模や穀物等の輸出力ではブラジルに次ぐ大国であるが、ここ数年インフレ率が年間30%前後であり(ベネズエラに次いでもっとも高い水準で、賃上げが追いつかない分、低所得労働者の購買力がかなり低下している)、議会を軽視した大統領政令による政策決定とそれに伴う国の放漫な財政運営や政府による野党メディアの締め付け等が、政情不安をさらに高めている。

いずれにしても、どの国でも多くの低所得者が中産階級になったことで消費力も購買力も高まったことは事実で、この20年で一人当たりの平均所得も3倍以上になっているところも多い。

2011年には、全世界の海外直接投資の1割はラ米地域に投じられるようになり、その金額は1,500億ドル(15兆円)に達したとCEPALは発表している。この史上最高額の4割(4兆円相当)がブラジルに、メキシコは194億ドル(約2兆円)、チリ172億ドル(1兆7千億円)、コロンビア132億ドル(1兆3千億円)、そしてペルーに76億ドル(7600億円)投資された。

中米では、パナマに27億ドル(2700億円)、コスタリカに21億ドル(2100億円)で、カリブ海のドミニカ共和国に23億ドル(2300億円)が投資されている。この巨額の46%はそれまでの利益の再投資であるため、多国籍企業の中南米に対する高い期待感を示しているが、欧州の経済・市場状況やアメリカの金融政策等によって今後は減少する可能性もある。

他方、中国のラ米諸国でのインフラ整備やエネルギー関連施設の事業参入が注目をあびている。直接投資の半分以上はまだ天然資源開発分野に集中しているが、36%がサービス部門、7%が製造業に向いており、メキシコ、中米やカリブ海諸国は製造業部門が4割を占めている(それに伴って技術系の労働者の需要が高まっている)。国連の専門機関はもっと積極的な技術移転と人材育成が急務だと指摘しているが、これは一般職員や熟練労働の育成だけではなく経営者や企業幹部の研修も重要だと強調している。

国別ではアメリカ企業の投資が18%を占めているが、基本的に欧州企業が多く、スペインだけでも全体の14%を占めている(電力や銀行がメインだが、近年は分野もかなり多様化している)。仮に日本企業からの投資は全体の8%で、鉱物資源開発、自動車産業がもっとも多い。そしてこの地域のもう一つの特徴は、多国籍化しているチリやメキシコ、コロンビアの大企業が域内投資に強い意欲を示していることである(それぞれの企業の域内投資額は、118億ドル、96億ドル、83億ドルである(すべて2011年度実績))。

こうした状況の中、ビジネス環境は整備されつつあるが課題はまだ多く、消費市場が伸びても賃上げに必要な労働生産性の向上は遅れを取っており、労働力の質の問題や技術者や高度人材不足も深刻である。また、インフラ整備や治安問題、行政や政治の汚職問題、一貫性のない産業政策も不安材料になっている。

ブラジルは、高い労働コストや税率が指摘されているが、それ以上に問題になっているのが就業人口の半分かそれ以上がブラック労働であり、税も社会保険料も払っていないことである。この状況はどの国でも似ており、国の財政基盤強化にも影響している。そして穀物等の輸出に頼っているアルゼンチンは「輸出税」を制定しているが、隣国のパラグアイもそうした手っ取り早い措置を検討していると報道されている。

ミクロ経済レベルや社会情勢の詳細はともかく、ここ10年は間違いなく南米諸国の経済は良くなっており、90年代の大きな課題であった高い失業率も平均6,8%にまで下がっている(それでも1,500万人に職がないことを意味し、若年層失業率は平均16%である)。最低賃金も年間4.5%も上がっているので、労働者階級の購買力が強化されたのも事実である。

しかし、こうした経済成長と中産階級の拡大が格差是正とあまりうまく噛み合っていないのも切実な現実であり、富裕層とそうでない者との格差は世界でもっとも大きい。多少是正されてもまだ不満は解消されていないどころか、むしろ期待感だけが一人歩きし摩擦が高まっているのかもしれない。その結果、チリ、ブラジル、ペルー等では、さまざまな業界で抗議運動が起きており、単なる賃上げだけではなく、街のインフラや学校、病院の整備を要求している。

矛盾を抱えながらも近年の南米諸国は活気づいており、希望も高まっている。

一方、日本に定住しつつあった南米の日系人は、主にブラジル国籍者は2008年のリーマンショック後4年間で12万人本国に帰国した(日本政府の支援で約2万1,000人、自己負担では10万人弱)。しかし、帰国支援で帰った一部の者は三年の再入国制限の解除を強く求め、2013年10月15からは一定の諸条件の下、事前にビザを取得した場合は再入国が認められるようになった。

以前より可能性があるブラジルより、あまり安定していない職でもその賃金水準に沿った購買力が案外確保されている日本の方がいいと判断している者もいるようだ。日本には安全と安心があり、そのうえ長年のデフレによって多くのモノやサービスの価格がブラジルより安くなっている。本国に戻ってもなかなか馴染めない側面もあるようだ。さらに、最近の国連開発計画(UNDP)が発表した報告によると、ここ10年で中南米の殺人と窃盗事件は増えており、特に人口密度が高い都市部やその郊外はかなり住みにくい状況になっているという。

この10年、欧州は「失われた10年」として位置づけられているが、中南米諸国にとっては「前進した10年」である。

南米の日系人たちは、日本から戻った多くの日系人も含めて、これまでとないさまざまな可能性に直面しているが、最近中南米進出に意欲を持っている日本の企業主に中小企業が、ジェトロやJICA等を通じて日系人のネットワークをもっと活用してビジネス展開を模索している。こうした動きを両者ともどのようにして実現していくのか、今後注目していきたい。

JICA&農林水産省による中南米・日系社会と連携した農業ビジネスセミナー 2013.11.12 東京都内。パラグアイ、アルゼンチン、ボリビア、ブラジルのニッケイ農協のメンバー(農林水産省の事業で招聘され、日本の市場のとk長を研修) パラグアイのPedro Yasuda - Central Cooperativa NIKKEI Agrícola Ltda.

参照:

ジェトロ 中南米諸国統計 http://www.jetro.go.jp/world/cs_america/

ラ米専門情報誌 http://www.americaeconomia.com/

国連ラ米・カリブ経済委員会 http://www.eclac.cl/

ジェトロセンサー http://www.jetro.go.jp/world/cs_america/reports/07001170

JICA http://www.jica.go.jp/activities/schemes/priv_partner/news/20131023.html

 

© 2014 Alberto J. Matsumoto

economy Latin America

Sobre esta série

日本在住日系アルゼンチン人のアルベルト松本氏によるコラム。日本に住む日系人の教育問題、労働状況、習慣、日本語問題。アイテンディティなど、様々な議題について分析、議論。