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70年代、日系アメリカ人が遠いヒロシマへ捧げた歌

9月、アジア系アメリカ人文学の研究者たちの集まりに出席したとき、珍しい音源を入手した。出席者の一人で、アジア系アメリカ人が1980年代に設立した音楽NPO「Asian Improv aRts/Records」(AIR)の日本通信員をつとめる神田稔さんからいただいたものだ。

ふだんあまり目にすることのない、文化の狭間にある音楽を追う彼が勧めるものだけに興味をそそられた。その音源は「YOKOHAMA, CALIFORNIA.」(ヨコハマ、カリフォルニア)。この名の日系アメリカ人グループが70年代に制作したLPのコピーだった。

このLPは、今となってはかなりレアものらしく、元をただせば洋楽を中心とするインディペンデント・レコード会社「MUSIC CAMP」代表の宮田信さんが発掘し、神田さんに貸したという。宮田さんは10年ほど前にLPの存在を知り、機会をみては探し続けていた。

タイトルからして、日本とアメリカを意識しているのが分かるが、それが何なのか。LPジャケットにある彼らの写真を見ると70年代の日本のフォークやニューミュージックのアーティストといってもなんの違和感もない。後で分かったことだが、この「YOKOHAMA, CALIFORNIA.」という名前は、日系アメリカ人作家、トシオ・モリが著した同名の小説に由来していた。

興味津々でコピーされたCDを聴いてみると、あの時代の優しいフォークロックが流れてきた。アコースティックギターとさわやかなコーラス。アメリカでいえば、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングのようなサウンド。女性ボーカルが入っているところは、日本でいえば、美しいハーモニーの「赤い鳥」や大貫妙子がいた「シュガー・ベイブ」を思い出させる。

日系人の音楽に時折見られる特徴である、和風な要素はまったくない。ただ、もし「英語のうまい日本人グループが歌っているんだよ」と言われれば、そんな気もしてくるサウンドだ。

聴き進めていくなかでもっとも印象的だったのは、「ヒロシマ」「ナガサキ」という歌詞が登場する「HOT AUGUST MORNING」という曲。カリフォルニアの暑い8月の朝が、彼らに想起させる1945年8月6日のヒロシマ。それは「奇妙な感覚」だという。

まるで鎮魂歌のような静かなモノローグとコーラス。70年代、アメリカにいて日本を自らの部分に抱える彼らだったからこそ、表現できた歌ではないか。


*『サンデー毎日』 2010年10.31号、「music cafe」より転載。

* * *


「HOT AUGUST MORNING(暑い八月の朝)」の抜粋 (訳:神田稔)

<語り> ピーター・ホリコシ

フレズノでむかえた暑い八月の朝
奇妙な感覚がする
暑い八月の朝にヒロシマを思う
1970 年のヒロシマ・ナガサキ記念式典を思い出す
リヴァーモアに向かう途中で
核実験場を通った
一分間の沈黙

ヒロシマから25 年
だけどいまもまだ残る奇妙な感覚
静かで  動かない  沈黙
B29 が飛んでいないかと空を見上げる
今日は来ないようだ
暑い八月の朝
ヒロシマ

これ以上なにが言えるのか

<歌> サム・タキモト

<<カリフォルニアの情景が描写される歌詞>>

奇妙な感覚におそわれる
1945 年の8 月6 日
ヒロシマ
それはとても早く起きた
原子爆弾

(コーラス)

晴れた空  B29
でも今日は飛んでこない
暑い八月の朝
ヒロシマ
私には言いたいことがもうひとつある

ヒロシマ~  なぜ焼きつくされてしまったのか
ヒロシマ~  いつになったら学ぶのか
ヒロシマ~  私はあなたの痛みを感じる
ヒロシマ~  無駄だったのか

晴れた空 B29
でも今日は飛んでこないようだ
暑い八月の朝
ヒロシマ
私には言いたいことがもうひとつある

ナガサキ~
暑い八月の夜
なぜ落としたのか
二回目の原子爆弾を
ナガサキ~
戦争は終わろうとしていたのに

空を見上げても B29 は飛んでいない
今日は来ないようだ
暑い八月の朝
ヒロシマ
私には言いたいことがもうひとつある

*以上はこの曲の「語り」と「歌」の抄訳です。

* * *

HOT AUGUST MORNING  (*Transcribed by Mark Irie)

A hot August morning in Fresno,
But not if you’re a Fresno Jap.
Hot if you’re from Berkeley and used to colder weather.

Got up at 8:30 AM. Sun shining, time to go.
So I stepped outside and a warm blast of air hit me.
Refreshing for a country boy, become city boy.
But still a strange feeling.
The air is quiet, still, and silent.

Strange, it feels like Hiroshima might have felt.
On that hot August morning.
Sun beating down on our brown skin.
Just like kids in Florin trying to be the darkest tanned.

A hot August morning in Livermore.
I remember the Hiroshima-Nagasaki commemoration in 1970.
We went to Livermore across from the radiation laboratory
And shared one minute of silence for those in Hiroshima 25 years before.

But still, the same, funny feeling.
Quiet, still, and silent.

Check the sky for B-29s, that would not come today.
A hot August morning in Hiroshima, what more can I say?

Eight o’clock and the sun is out
The morning air’s hot today
And there is something I’d like to say
California summer time
Central Valley’s all sunshine
But still something feels so strange
It feels so strange


The early morning sun feels good
My color showing like it should
But I recall traces of the past
August 6th, 1945 Hiroshima’s so alive
But then it happened so very fast, the atomic blast.

Check the sky for B-29s, that would not come today.
Hot August morning in Hiroshima.
What more can I say?

Hiroshima, what if they heard you?
Hiroshima, when will they learn?
Hiroshima, I feel the pain
Hiroshima, was it in vain?

Check the sky for B-29s, that would not come today.
Hot August morning in Hiroshima.
What more can I say?

Nagasaki, on August 9th.
Why did they do it a second time?
In Nagasaki as the war ended
They opened a wound that would never mend.

Check the sky for B-29s that would not come today.
Hot August morning in Hiroshima.
What more can I say?  

 

© 2010 Ryusuke Kawai and Mainichi Shimbun

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