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激変するデカセギ事情=大挙帰伯の真相に迫る

第1回 次々に潰れる派遣会社=最大手すら年末からゼロ

デカセギを取り巻く環境が激変しているのは、日本ばかりではない。金融危機の犠牲となり、真っ先に「派遣切り」されたデカセギが大挙して帰伯してお り、当地の事情もまた急変している。最大手と言われていた派遣会社ですら一人も送れない状態に陥いり、グアルーリョス空港で取材したデカセギ夫婦は「私た ちは首になり、代わりに中国人研修生200人が工場に入った」とうなだれた。大挙帰伯を裏付けるように、日本からブラジル行きの飛行機利用者は先月、前年 比2.5倍強を記録した。デカセギ業界にいったい何が起きているか。

「このへんの派遣会社で小さいのは軒並み潰れたよ」。4年余り手伝っていた、リベルダーデの派遣会社が店をたたんだばかりだという新川一男さんは、「借金抱えて潰れたところも大分あるらしい」とほのめかす。

今までデカセギ業界では、訪日就労者に航空運賃やビザ取得料金を貸し付け、日本で働き始めてからそれを回収する方法が行われていた。ところが今回の危機で大量の貸し倒れが生じ、その借金を抱えたまま倒産したのではないかという。

日本のバブル崩壊、九八年の平成不況も難なく乗り越えてきたデカセギ業界は今回、未曾有の状態に陥っているといっても過言ではない。

例えば、創業以来10年間で1万人ものデカセギを日本へ送ってきた、派遣会社の最大手が現在、一人も送れない状況に陥っている。

1999年に創業のNISSEN(高田セーリア社長)はここ数年、聖市派遣会社の最大手の一つとして君臨してきた。取引先は関東、東海、関西地方の日野自動車、スズキ、ホンダ、ソニー、三洋、富士通などの大手工場ばかりだった。

しかし、「去年9月にがたっときて、12月には何も無くなった。今はほぼ業務をストップしてる」という。

高田社長は、「08年1月頃からだんだん悪くなってきていたけど、まさかこんな事になるなんて誰も想像してませんでした」とショックの大きさを物語るように興奮して話しながらも、「日本の生産がストップしているんだからどうしようもない」と声を落とす。

同社は新しい手を打つために3日、新会社GCBS社を立ち上げた。NISSENの共同経営者で新会社社長の岡村健氏は、「準備ができずに帰国し、何をすればいいのか分からないデカセギに、どのようなチャンスを提供できるだろうか考えた」と説明する。

新会社は、「会員登録制で、国内商品の小売販売を紹介、講座で販売方法のイロハを教えるディストリビューター(販売員・勧誘員の意)・クラブ」。つまり、国外から国内の職案内へと180度方向転換した。

日本の求人がぷっつりと切れたと話すのはNISSENだけではない。

以前は月に100人以上送り出していた1000サービス旅行社(聖市)の社員は、「前は〃大手〃と言われていたけど・・・」と前置きして、「もう日 本には受け入れ体制が無いから送れない」とあきらめた表情で話す。提携先の日本側派遣会社からの求人が、昨年9月から急減し、12月にゼロになった。

今では通常旅行業のみだが、帰伯者からひっきりなしにデカセギ相談が来る。「枠自体ない。もし送れたとしても、いつ首切られるか分からないし保証できない。社長も今は派遣業務はやりたくないって言ってます」。

16年間、デカセギを派遣してきた宮崎ツーリズモ(聖市)の宮崎秀人社長は「こんなの初めてじゃないか。バブルが弾けて悪くなってはいたけど、一気にがたーんってきた。めちゃくちゃだよ」と声を落とす。

個人で営業を続けてきた宮崎社長は現在、日本の知人を通じ独自ルートでなんとか派遣を続けているものの、「月に一人か二人。ゼロのときもある。生き残りをかけてみんな必死だけど、何社も潰れてるよ」。

第2回 >>

「いまも何とか営業を続けている」という宮崎ツーリズモの宮崎秀人社長(リベルダーデ)

※ 本稿はニッケイ新聞2009年2月12日に掲載されたものを許可を持って転載しています。

※ ニッケイ新聞(www.nikkeyshimbun.com.br)はブラジル国サンパウロ州サンパウロ市で発行されている、移住者や日系人・駐在員向けの日本語新聞です。

© 2009 Norie Watanabe

Sobre esta série

2008年の金融危機の犠牲になったデカセギたち。彼らを取り巻く環境が激変しているのは、日本だけではない。日本で職を失った彼らの多くが、大挙帰伯している。そのあおりを受け、ブラジルの事情もまた急変している。その現状に焦点をあてたコラム。ブラジル国サンパウロ州サンパウロ市で発行されてい、日本人・駐在者向けの日本語新聞、ニッケイ新聞(www.nikkeyshimbun.com.br )からのの転載。