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「ノーノー・ボーイ」の世界を探る
第16回 第八章、友の死、母の死
川井 龍介
小説「ノーノー・ボーイ」は、物語の後半に入り、大きな山場を迎える。主人公イチローの母と、親しい友人ケンジが相次いでこの世を去る。八章では、この二つの死が同時に登場する。著者のジョン・オカダは、二つの死をどう描いたか。
「ノーノー・ボーイ」の世界を探る
第15回 七章、良心ある白人との出会い
川井 龍介
日米間の戦争という事情ゆえ、アメリカの日系人はアメリカ社会で全体として迫害をうけるが、その背景には人種的な偏見があり、この問題をどうとらえるかを、「ノーノー・ボーイ」のなかで、ジョン・オカダは随所で示している。
「ノーノー・ボーイ」の世界を探る
第14回 六章、死を予感するケンジの悲しみ
川井 龍介
著者のジョン・オカダが、心優しい日系人家族の姿を、美しくも悲しく描く印象的な章が、物語も中ほどにさしかかった第六章だ。
「ノーノー・ボーイ」の世界を探る
第13回 五章、日本からの手紙
川井 龍介
イチロー・ヤマダの母は、戦争が終わっても日本が負けたことを信じられずにいる。その頑迷さと狂信性にイチローは腹を立て、同時にそんな母の間違いを正さず、あたらず触らずの態度をとっている父の態度にも腹を立てていた。
「ノーノー・ボーイ」の世界を探る
第11回 第三章、片脚を失った友との再会
川井 龍介
著者のジョン・オカダは、主人公イチローの心の葛藤を描き、同時に人間社会のさまざまな問題を読者に考えさせる。その葛藤は家族をはじめ、彼が関わっていく人間とのふれあいのなかで生まれる。
「ノーノー・ボーイ」の世界を探る
第10回 第二章、同じ境遇の友との再会
川井 龍介
二年間の服役を終えて、イチローはシアトルのわが家に戻る。しかし、その帰郷はまったく心休まるものなどではなく、戦争に行かなかった者への冷たい視線を感じた。一方、日本が負けてはいないと信じる母親への憎悪は募り、その母と日本に背けなかった自分とは何かと問い苦しむ。
「ノーノー・ボーイ」の世界を探る
第9回 第一章、戦争が終わり、刑務所から故郷へ
川井 龍介
全十一章からなる「ノーノー・ボーイ」の第一章は、戦争が終わって刑務所から出て来た主人公のイチロー・ヤマダが、故郷のシアトルに戻って来たところからはじまる。徴兵を拒否して、二年間服役していた彼が、その二年間の重みを背負いながら家族と再会する。著者は、そのなかで主人公の抱える問題の本質をまず浮かび上がらせる。
「ノーノー・ボーイ」の世界を探る
第8回 パールハーバーの波紋~序文から読む
川井 龍介
アメリカのオバマ大統領が広島を訪問することが明らかになった。日米開戦によって複雑な立場に置かれたアメリカの日系人は、このことをどんな思いで受け止めたのだろうか。
「ノーノー・ボーイ」の世界を探る
第7回 ジョン・オカダの歴史
川井 龍介
「ノーノー・ボーイ」の著者、ジョン・オカダとはどのような人物なのか。プロフェッショナルな作家として有名だったわけではなく、彼について残された記録は多くはない。