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アーティストプロフィール:

1980年、メキシコ・メキシコシティー生まれ。現在、メキシコシティー在住。

タロウ・ソリージャは、早稲田大学理工学部建築学科およびメキシコ国立自治大学建築学科卒業。2007年、第1回リスボン建築トリエンナーレのメキシコ館に招待作家として出展。2010年、在メキシコ日本国大使館日本文化センターをデザイン。ソリージャの作品は、ある集団の価値観や知識、構成員の夢といったものを集めることで、その集団が理想とする姿を再構築または浮かび上がらせ、普段は意識しない社会の行動規範や道徳観を問い直すものである。中でも人間の移住・移民というテーマと関連する多文化・多国籍社会に焦点が当てられることが多い。

トランスクリプト

メキシコに来たのは私の母です。母は一人で日本から来て、メキシコに移住しました。しかし、私がとても小さい頃に 父がなくなったので、基本的には私たち子どもだけで毎日過ごしていました。しかし 非常に日本的な教育を受けてきたので、学校を終える頃には、私は自分をメキシコ系日本人だと感じていました。

私の仕事には4つの側面があります。一つはアートの仕事です。主にビデオとメディアを使ったもので、模型や素描もやります。二つ目は建築で、建築的な視点はアートを作るうえでも非常に役立っています。三つ目はコミュニティや公共のサービスとして行う建築です。建築が役に立つのではないかと考えられる特定の空間や社会的状況があるのです。4つ目は、「フンダシオン・パイサヘ・ソシアル」という市民グループとの活動です。そこでは主に、アートのワークショップといった活動をしています。

「建築家としてはこれをして、アーティストとしてはこれをしている」と言い切れると思わないでください。現状にて何ができるか考えた時に、好奇心や関心が常に芽生えるんです。人の見方ははそれぞれで、私を建築家やアーティストという型、メキシコ系日本人や日系メキシコ人という型にあてはめようとします。でも これはあくまでも他人から見た私なんです。

ともあれ、アートの仕事において、もしくは建築の仕事において、型にはまった見方をされたとしても、私は常に変化または移住のプロセスにいるのです。この場合、私が表現したいのは、アメリカに行き、メキシコに家を建てたメキシコ人移民のコミュニティの物語です。

私が常に興味を惹かれるのは、ある「ふるまい」に出会った時です。それはあるグループを見た時、お互いは全く知らないのに、同じようなことをしたり、同じ身ぶりをしたりする「ふるまい」です。ここで取り上げているのは、移民たちがメキシコ中に家を建てることです。私の興味は、感情に従って人々に同じような行動をおこさせるある種の「ふるまい」です。

そのコミュニティーができていくプロセスの部分にすごく興味があります。特に人が移動して違う所で生活する時に、その人が持ってくる文化とか習慣が新しい、 というか移住した先の文化とか習慣と交わる部分、そこを一番作品のテーマにしています。

* * * * *

「トランスパシフィック・ボーダーランド:リマ、ロサンゼルス、メキシコシティー、サンパウロにおける日系ディアスポラのアート」展は、全米日系人博物館にて2017年9月17日から2018年2月25日まで開催しています。この展示では、ラテンアメリカおよび南カリフォルニアのラテンアメリカ・コミュニティの日系人アーティストの体験を探求します。タロウ・ソリージャはこの展示で紹介しているアーティストの一人です。

この展示の詳細は、下記のウェブサイトをご覧ください。 
janm.org/transpacific-borderlands

Japanese American National Museum 
100 N. Central Ave.  
Los Angeles, CA 90012  
janm.org

*この展示はゲティ基金の支援を受け、ゲティ財団が主催するロサンゼルスとラテンアメリカおよびラテンアートの交流を促進する「パシフィックスタンダードタイム:LA/LA」(バンク・オブ・アメリカ協賛)の一環として開催されます。

JANM — 更新日 9月 22 2018 10:06 p.m.


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