ディスカバー・ニッケイ

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オハヨウ・ボンディア


2011年7月20日 - 2011年12月7日

祖父は日本から約100年前に来伯。私はブラジル生まれ。だから、私はブラジルと日本との「架け橋」になりたい。私の心に深く刻まれた「にっぽん」は宝物。ふるさとのブラジルで守りたい。そんな思いを込めて書いたのが、このシリーズです。(Bom Diaはポルトガル語でおはよう)



このシリーズのストーリー

第10回 映画少女の夢

2011年9月21日 • ラウラ・ホンダ=ハセガワ

                                        …

第9回 世の中はずいぶん変わったもんだ

2011年9月14日 • ラウラ・ホンダ=ハセガワ

母の好物はフェイジョアダで、父のはバカリョアダだった。三世のわたしは子どもの頃から「納豆」だった。 このことを言うのは今回が初めてだ。黙っているしかなかったことが、やっと言えるようになった。 何故なら、最近、日本食文化がブラジル人に認知されてきているからだ。 わたしが小・中学生の頃(60年代)、日系人の生徒は「ジャポネスは生魚とか青臭い生野菜食べるんだって?」とひやかされたものだ。 初めて勤めた学校でのエピソードを思い出す。一人の理科の女性の教師がわたしに直接言…

第8回 まんじゅうの味

2011年9月7日 • ラウラ・ホンダ=ハセガワ

丸くて、中にはあま~いあずきのあん。これが和菓子のまんじゅう。ブラジル人も知っているドセ・デ・フェジョン。 これは母から聞いた話。八十数年前のこと。住んでいたのはシーティオ。 ある日、町からお客さんが訪れた。同じ日系人の方。おみやげは珍しいまんじゅだった。 子どもたちは、ほうきを戸の後ろにさかさまに。お客さんが早く帰るおまじない。 さあ、お客さんは帰った!子どもたちはみんなおまんじゅうに一直線! 一個のまんじゅうは四つに分けられた。母は十人兄弟。子どもたちは丸…

第7回 本当はドラマドラマ好きな男たち

2011年8月31日 • ラウラ・ホンダ=ハセガワ

「男は泣くもんじゃない」と、ブラジルの男の子は育てられる。大人になると、「家事は女のすることだ」、「テレビドラマなんか女の見るものだ」と男らしさであることになお一層プレッシャーが掛けられ、家事やテレビドラマから遠ざけられる。 しかし、つい最近、あるドラマのおかげでその昔のイメージは変わってきた。 ドラマの名は「冬のソナタ」。これがキッカケで、色々なことが日系人社会の中で起こっている。日本ではブームだったが、ブラジルの日系人の間ではブーム以上の「革命」のようなものがおこってい…

第6回 リベルダーデ

2011年8月24日 • ラウラ・ホンダ=ハセガワ

あのころのリベルダーデはわたしにはまるで別世界。 転校してルーズベルト高校に通い始めた1964年。授業は6時まで、帰りはリベルダーデのメインストリートを通ってバスターミナルへ。白と紺の制服で急いで歩く学生にとっては、竜宮を訪れた浦島太郎のようだった。 ギラギラまばゆく光るネオンの看板のネオン、またネオン。オープンしたばかりのパチンコ屋の人の出入りの多いこと。日中に見かけない異色な人たちが、のこのこと土から出てくるもぐらのようにわいてくる。サングラス、肩にかけたドハデ…

第5回 見た!わたしも見た!

2011年8月17日 • ラウラ・ホンダ=ハセガワ

見た。もちろん、わたしも見た。 出会った瞬間から胸がドキドキ。景色のすばらしい場所に連れて行ってもらえて、夢気分。思いがけずきれいな言葉にも出会えて、美しいメロディーにいやされた。涙ぐんだ。友情っていいなぁと改めて思った。いつもより人が恋しくなった。 そして、わたしもチュンサンに一目惚れ! ビンゴ!そうそう。そうなの。日系人の多くの人が見たという、韓国からの愛のメッセージ、「冬のソナタ」。 2005年、日本から戻った直後、幼なじみが「涙をポロポロ流して見たドラマがある」と教…

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このシリーズの執筆者

1947年サンパウロ生まれ。2009年まで教育の分野に携わる。以後、執筆活動に専念。エッセイ、短編小説、小説などを日系人の視点から描く。

子どものころ、母親が話してくれた日本の童話、中学生のころ読んだ「少女クラブ」、小津監督の数々の映画を見て、日本文化への憧れを育んだ。

(2023年5月 更新)