ディスカバー・ニッケイ

https://www.discovernikkei.org/ja/journal/series/nikkei-latino/

南米の日系人、日本のラティーノ日系人


2007年12月14日 - 2022年2月14日

日本在住日系アルゼンチン人のアルベルト松本氏によるコラム。日本に住む日系人の教育問題、労働状況、習慣、日本語問題。アイテンディティなど、様々な議題について分析、議論。



このシリーズのストーリー

第49回海外日系人大会と日本の日系人大学生

2008年12月30日 • アルベルト・松本

海外日系人大会が国内の「日系人」にも注目第49回目の海外日系人大会も無事終了し、海外からは132人、国内からも含めると、総勢で約300人が参加した。例年通り、初日には式典と全体会 議が行われ、開会式には秋篠宮御夫妻両殿下がご臨席された。海外から久しぶりに、または初めて里帰りをしていた日本人移住者にとっては大きな喜びであり、 その感動はすばらしい思い出になったといえる。 2日目はもっと具体的な内容で各国の日系団体が発表したり、要望を述べたり、問題提起をしたりする「代表者 会…

日本の日系ラティーノの飲食ビジネス

2008年11月20日 • アルベルト・松本

中南米の食材と日本の貿易日本ではほぼ世界中の食材が手に入る。そうした専門店もあるし、今はインターネットによって誰もが海外から取り寄せることができる。 日本は基本的に貿易で栄えており、日本にはない石油や天然ガスというエネルギー資源をはじめ、国内では生産が不十分で割高な食料品を海外から輸入し ている。輸出額は国家予算に相当する83兆円に上る。一方の輸入は73兆円であるが、この中の食料品は全体の8%で6兆円に相当する。アジアとの取引が半 分以上だが、輸出の5%弱(4千億円)と輸…

移民の誇りとアイデンティティ

2008年10月2日 • アルベルト・松本

移民は誇れるものが常に必要であるアメリカや南米諸国は、19世紀末から20世紀初頭に多くの欧州移民を受入れることで、国づくりをした。当時の世界情勢とヨーロッパ諸国の行き詰まった状況、そして新大陸の大量の人手不足が海外移民を促進させたのである。 筆者の生まれ育ったアルゼンチンも、その期間約50年の間に600万人という外国人を受入れ、その半分が実際に定着し、国の土台となった。当初は他 の国と同様、非常に徹底した同化政策が取られ義務教育と兵役義務によって、ナショナル・アイデンティ…

移民1千万人も移民鎖国もナンセンス

2008年9月11日 • アルベルト・松本

移民受入れ政策がなくとも入って来る移民?前号のコラム(2008年6月号「誰のため、何のための“移民政策”なのか」 ) では、移民受入れ政策について法や諸制度の整備の必要性を、そして受入れの議論と同時に日本の歪んだ労働市場そのものの改善が必要だと説いた。現状の年齢 と就労年数に比重を置いた正社員重用制度は、あまりにも曖昧で非効率な人事であり、現に存在している潜在的労働力を活用していないだけではなく、非正規社 員の不安定雇用ばかりを増やしてしまう結果につ…

誰のため、何のための“移民政策”なのか

2008年8月1日 • アルベルト・松本

日本の移民政策議論と外国人労働者ここ5~6年前から、官民を含めて今後深刻な社会経済問題になるとされている少子高齢化問題。この解決策として、外国人労働者の受入れ拡大を提言し ている機関や団体が目立っている。 財界からは、日本経団連の「活力と魅力溢れる日本を目指して」というビジョンや「外国人受入れ問題に関する中間取りまとめ〜多様性のダイナミズムを実現するために『人材開国』を〜」という報告等、経済同友会からは「外国人が『訪れたい、学びたい、働きたい』日本となるため に」、商工会…

日系人子弟の未就学問題は義務教育を適用すること

2008年6月25日 • アルベルト・松本

日本の外国人子弟の教育問題の背景中南米系の日系人が出稼ぎ者として来日し始めてから、ほぼ20年が経つ。在日外国人の人口210万人のうち、移民となりつつあるのが38万人であ る。多くが本国の家族を呼び又は日本で家庭を築き、外国人登録の統計をみても、5歳から14歳のラティーノ日系人は約4万人(ブラジル国籍が29.000 人、ペルー国籍が8.000人)で、15歳から19歳のブラジル人の場合はさらに2万人弱、ペルー人は3千人以上となっている。 彼らは、当然日本の公立、または私立校に…

ニッケイのストーリーを募集しています! 世界に広がるニッケイ人のストーリーを集めたこのジャーナルへ、コラムやエッセイ、フィクション、詩など投稿してください。 詳細はこちら
サイトのリニューアル ディスカバー・ニッケイウェブサイトがリニューアルされます。近日公開予定の新しい機能などリニューアルに関する最新情報をご覧ください。 詳細はこちら
このシリーズの執筆者

アルゼンチン日系二世。1990年、国費留学生として来日。横浜国大で法律の修士号取得。97年に渉外法務翻訳を専門にする会社を設立。横浜や東京地裁・家裁の元法廷通訳員、NHKの放送通訳でもある。JICA日系研修員のオリエンテーション講師(日本人の移民史、日本の教育制度を担当)。静岡県立大学でスペイン語講師、獨協大学法学部で「ラ米経済社会と法」の講師。外国人相談員の多文化共生講座等の講師。「所得税」と「在留資格と帰化」に対する本をスペイン語で出版。日本語では「アルゼンチンを知るための54章」(明石書店)、「30日で話せるスペイン語会話」(ナツメ社)等を出版。2017年10月JICA理事長による「国際協力感謝賞」を受賞。2018年は、外務省中南米局のラ米日系社会実相調査の分析報告書作成を担当した。http://www.ideamatsu.com 


(2020年4月 更新)