ディスカバー・ニッケイ

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日系カナダ人の十代の亡命者:牧原和子の生涯


2019年10月25日 - 2019年11月22日

このシリーズは、バンクーバー近郊で広島からの漁師移民の両親のもとに生まれ育った日系カナダ人二世、カズコ・マキハラの生涯を紹介しています。第二次世界大戦が始まるまでの幼少期の思い出、その後の家族の強制的な住居からの強制退去と全財産の没収、強制収容所での収容、そして終戦後の日本への追放について語っています。次に、戦後の日本での生活、バンクーバーへの帰国、カナダでの生活とキャリアを再建するための困難を乗り越えた闘い、そして退職後のさまざまなボランティア活動やレクリエーション活動について説明しています。

* このシリーズは、2019年3月15日に甲南大学言語文化研究所誌3-20ページに掲載された「日系カナダ人の十代の亡命者:槇原和子の生涯」と題する論文の要約版です


カナダ 戦後 日系カナダ人 ボランティア 活動 移住 (immigration) 第二次世界大戦

このシリーズのストーリー

第5部:カナダでの武志との生活と引退生活

2019年11月22日 • スタンレー・カーク

尾道で若い頃、和子の夫タケシは南妙法蓮月教という宗教団体に寄稿する経験を積み、日本語で非常に優れたライターになりました。カナダに移住して間もなく、彼の執筆の才能は、バンクーバー日系カナダ人コミュニティの月刊誌「月報」(英語では「The Bulletin 」と呼ばれる)の創刊者である友人のゴードン・カドタに見出されました。タケシは長年にわたり、ボランティアとして月報の日本語欄を毎月執筆し、毎月3、4晩遅くまでこの作業に忙しくしていました。その後、日本総領事館でガーデニングの仕…

第4部:カナダへの帰国とバンクーバーでの新生活

2019年11月15日 • スタンレー・カーク

和子さんと武さんは神戸で働き続け、高校を卒業するまで和子さんの弟と妹の学費を援助しました。卒業後、和子さんの弟と妹は1955年頃にカナダに戻りました。弟は最初、木材会社で働き、その後バンクーバーのネルソンチョコレートで働きました。妹は家事を担当しました。結局、武志は神戸で職を失いました。1958年、和子の弟と妹が和子と武志をカナダに誘いました。武志も当時カナダに移住したいと思っていましたが、移民法の関係で、和子はまずカナダに移住し、移民として彼を支援するための資格を得るため…

第3部: 戦後日本における亡命と生活

2019年11月8日 • スタンレー・カーク

和子さんが13歳の時、家族は日本に強制送還された。両親が日本への強制送還という難しい選択をしたのは、子供たちがまだ小さかったことと、父親が尾道でまだ生きていた養母の面倒を見る責任を強く感じていたためだった。養父母は戦前に尾道に戻り、家を購入して小さなレストランを経営していた。養父は戦争中に亡くなり、養母が一人でレストランを切り盛りしていた。和子さんの父親も、小さな子供たちを連れてカナダにいても仕方がないと考えていた。「カナダですべてを失ったのだから、カナダで何ができるだろう…

第2部: 根こそぎの追放、土地の剥奪、そして投獄

2019年11月1日 • スタンレー・カーク

日本との戦争が始まって間もなく、カナダ政府は海岸から 150 キロ以内に住む日系カナダ人全員に「避難」を命じた。カズコさんの家族には、家を立ち去るのに 24 時間しか与えられなかった。彼女は、母親が彼女に急いで自分の服をまとめるように言ったことを覚えている。警察が玄関で彼らが立ち去るのを待っていたので、時間を無駄にする余地はなかった。すべてがあまりにも急に起こったので、友人に財産や残してきたものの世話を頼む暇もなく、彼らはすべてを失った。彼女は言う。「家、ボート、すべて、私…

第1部:誕生から幼少期、そして戦争まで

2019年10月25日 • スタンレー・カーク

槇原和子(ケイティ)は、1933 年 9 月 26 日、シーアイランド(現在のバンクーバー国際空港の場所)のバンクーバー缶詰工場近くの両親の家で福原家に生まれました。彼女の出産は、日本人の助産師、渡辺さんの介助によって行われました。彼女には、姉の久恵、妹のジュディ、弟のアキオがいました。和子さんの両親は広島県尾道市の出身です。彼女の父親がカナダに来たのは、漁師をしていた子供のいない叔父と叔母に養子として引き取られたからです。養父母は大きな家を持ち、他の漁師たちにも金を貸して…

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このシリーズの執筆者

スタンリー・カークは、カナダのアルベルタ郊外で育つ。カルガリー大学を卒業。現在は、妻の雅子と息子の應幸ドナルドとともに、兵庫県芦屋市に在住。神戸の甲南大学国際言語文化センターで英語を教えている。戦後日本へ送還された日系カナダ人について研究、執筆活動を行っている。

(2018年4月 更新)