ニッケイ物語 #1: いただきます!ニッケイ食文化を味わう


ニッケイ物語#1:「いただきます!ニッケイ食文化を味わう」は、1つのテーマのもと作品を募集する初の試みでした。 世界各国より投稿頂いた全49編の作品(英語:35、日本語:10、スペイン語:4、ポルトガル語:3)は、当サイトにて閲覧することができます。

作品を提出してくださった皆さん、どうもありがとうございました。

編集委員の方々には、9月30日までに提出頂いた全ての作品を言語別に読んでいただき、その中から一番のお気に入り作品を選んでいただきました。

編集委員によるお気に入り作品はこちらです!

編集委員のお気に入り作品:

    長島 幸和さんからのコメント:
    なかなか優れた書き手が多く、それぞれエッセイとして面白く読ませてもらったが、今回のテーマに沿った話として、後藤麻美さんの作品を選んだ。
    そこには三つの話がある。まず、ホノルルの叔父家庭に根付いている漬物が家族のルーツをつなげるという役割を果たしている話、二つ目は、筆者が日本から持ち帰った手作りの漬物が仏教婦人会のおばちゃんたちに彼女ら自身の母親の味を思い出させるという、心理的な役割を果たしている話、そして、そうした二つの「発見」が筆者に漬物のビジネスを立ち上げたいという気持ちを育てた話だ。
    そうした話が簡潔にまとめられており、筆者のビジネスへの意気込みも感じさせる。ぜひともビジネスを成功させてほしいと思った。
    中町泰子さんのエッセイも、チャプスイ・レストランが果たしていた役割と、客がどのようにフォーチュンクッキーを楽しんでいたかに触れた部分が面白かった。
    中牧 弘允さんからのコメント:
    二世の親戚をたよってホノルルに留学した著者がみいだしたTsukemono(漬物)の味。それはアメリカ人になじみの酢漬けキュウリのPickles(ピクルス)ではなく、二世のGrandma(おばあちゃん)がつくるたくあんやショウガ漬けだった。仏教会に集う日系の高齢者たちもラッキョや梅干しなど、日本の漬物が大好物のようである。
    たかが漬物、されど漬物。食文化の伝統は家族や団体を通じて引き継がれていくが、くわえてビジネスとして味の継承をかんがえているところが興味を引いた。
    微妙な味覚が民族的アイデンティティーだけでなく、海外ビジネスにも通じるところがグローバルと形容される現代の特徴でもあろう。
    ニーナ・カオリ・ファーレンバムさんのコメント:
    この作品で描かれている家庭料理の鮮明な記憶と、作者の両親や家庭生活に対する愛情に、世界中の日系人が共感するでしょう。少ない文字数で、周囲に日系人がほとんど居ないことで発生する苦労や団結といった複雑な側面や、母親が作ってくれた稲荷ずし、「亀」の幸福な記憶が描かれています。「本物の料理上手は、ある物で作るの」というニシモトさんのお母さんの言葉からは、季節感という伝統への誇りや日系人の柔軟性、そして日系ディアスポラが共通して耐えてきたつつましさが感じられます。ニシモト一家の、苦労がある中でも食べ物を通して感じられる愛情と思いやりは、文化や生活環境を超え、共感を呼ぶのです。
    ナンシー・マツモトさんからのコメント:
    私は、バーバラ・ニシモトさんの作品、「Authentic (オーセンティック)」の強気で正直なところや、彼女の家族がアジア系のステレオタイプに追従しないことへの、彼女の挑戦的とも言えるプライドが好きです。日系二世であるバーバラの母が作ったシンプルな「田舎」料理のくだりを読み、私も母や祖母が作ってくれた料理を思い出しました。その多くは、ニシモト家のものと同じでした、バーバラが、家庭料理を彼女自身が作り上げた日系アイデンティティと関連づけるところは、感動的であり、説得力がありました。私自身は、彼女ほどの孤立感を感じ、排除されているという意識を持って生きてきたわけではありません。しかし、このエッセイを通し、私は、作者の痛みを深く感じ、同時に私自身の幼少期の家庭の食卓を、外の世界からの侮辱や痛みが入りこむ隙のない魔法円として思い出したのです。
    アルベルト・松本さんからのコメント:
    完全なチリ人である母親から、日本食というものを発見して行く日系人の物語である。著者の文書がとてもリアルで、その「不安」の中どのように日本食の秘密を発見して行くかを、想像してしまうのである。アリエルの、その時の感情がとても温かくかつユーモアに表現されている。
    その他の作品も、祖父母や父母から得た日本食の感触が描かれており、その時代毎に入手可能な食材でつくられた手作り料理を再評価する内容でもある。また、日本人移民一世の、何らかの方法で日本産の食材を手に入れ、好物を食べることをノスタルジックに楽しみにしていることも心に響く。
    アメリア・モリモトさんからのコメント:
    著者の洗練なユーモア(わさびを体験したシーンは、このペルーでも以前から多くの人が体験しているものであり、特に「寿司」がまだあまり知られたない頃は尚更である。非日系人の仲間とそうした飲食店に行った際はよくあったシーンである)は、誰もが共感できる内容である。文書としても、構造的に他のよりセンスが良いと言える。
    その他の物語も、チリやアルゼンチンからのものであるが、とても家族的な内容で、日本人(一世)や日系人の家庭で起きた、または起きていることを描いている。母親や祖母から受けた教えを思い出しており、食文化は女性から伝承されたものであることを示唆しているところがとても興味深い。日本人移民の、まだあまり知られていない側面でもある。
    アレシャンドレ・ウエハラさんからのコメント:
    まず初めに、ディスカバー・ニッケイへ祝いの言葉を述べたい。ニッケイ食文化に関するエッセイを募集することによって、人々はニッケイの「食」についての体験を語ることができた。私も、自分自身の経験を通して、日本文化としてブラジルに強い影響を与えられていると思っている。なぜなら、サンパウロのような大都市では、ほとんどのシュラスコ専門店で日本料理がメニューの一品として加わっているからだ。
    ロザ・タカダ著「おふくろの味:ドナ・シズカのマンジョカのみそ汁」を気に入った理由は、詳細に描かれているからだ。各材料と作り方を詳しく書いている。このような物語は読者に興味をもたらせ、いろんなセンセーションを巻き起こす。
    著者が母親の言動や兄弟一人一人に配るみそ、または孫の間で好評な「おばあちゃんのみそ」で作ったみそ汁の話。読んでいるうちに読者ははまり込んでいく。
    しまいには、過去から現在に読者をタイムスリップさせ、「おふくろのみそ汁」を再現するために同じ材料を集め、調理し、さらにはレシピも紹介する。それだけではない。同じ体験をするように私たち、一人一人をその気にさせる。
    ラウラ・長谷川さんからのコメント:
    他の作品も大変よく著述されていましたが、この作品を読んで驚きました。なぜなら、手をかけた美味しそうな昔ながらの家庭料理と一緒に、初期の入植者の生活のことも紹介されていますから。まさか、白いごはんとみそ汁とともに、ヤモリやアルマジロの料理が食卓に並んでいたとは、想像もできないことです。
    これまで日本移民についてずいぶん読んできたと思っていますが、ロザ・タカダさんのストーリーは感動的でした。今更ながら、初期の入植者は筆舌に尽くし難い大変なご苦労をされたのだと思いました。それにもかからず、食生活はなんてクリエーティブだったのでしょう。脱帽です。

お気に入りに選ばれた記事の翻訳(4言語)は、近日中にディスカバー・ニッケイへ掲載される予定です。さらに、この企画への協力を申し出てくださった刊行機関のニューズレターや新聞などにも掲載される予定です。

英文記事については、素晴らしいストーリーが多数投稿されたため、編集委員は、1番のお気に入り作品を選ぶのに大変苦心しました。そこで、一番のお気に入りにも引けを取らない作品をもう一つのお気に入り作品を紹介いたします。

    ニーナ・カオリ・ファーレンバムさんのコメント:
    「典型的な日系人の体験」なるものは、もとよりありませんし、必要もないでしょう。しかし、タミコ・ニムラさんはかなり近づいたと言えます。彼女のエッセイは、ニムラ家で愛されているログキャビン入りすき焼きの描写と共鳴しています。 彼女の愛情溢れる語り口から、北米オリジナルのメープルシロップ入りの、その驚くべきタレの味がしてくるようです。 それでいて、彼女のストーリーには普遍性があります。
    親戚を亡くしたことのある人は、彼女の愛情や好奇心を理解できるでしょうし、「お子様席から卒業」し、家族の伝統を継承する一員となる責任についても読み手は共感するでしょう。彼女の家族にとって、伝統の継承とはすき焼きのタレの継承を意味しています。
    私はこのエッセイが、人々が新しいレシピを追求する中で、世界中の日系人がそれぞれの大切なレシピを継承するよう、後押ししてくれることを願います。そうして、それぞれが自らのストーリーを語ることができるのです。
    ナンシー・マツモトさんからのコメント:
    私がこの素晴らしいエッセイを好きな理由はたくさんあります。ログキャビンメープルシロップをすき焼きの甘味料として使用するというところから、日系一世による創意工夫の素晴らしい一例を伺い知ることができます。また、第二次大戦中、多くの一世や二世が、アメリカ人であり日系人であるという自らの権利を静かに主張したように、作者が、「典型的な新天地アメリカの家庭」が持つイメージをひっくり返し、「典型的な日系アメリカ人の家庭料理」と置き換えたところは圧巻でした。 また、作者が、「言葉を交わすより、集い食べることで繋がっている」と自らの家族を表したところや、愛する者の想い出を食卓に呼び戻すためにお気に入りの料理を作る、という行為に、多くの日系人が共感するでしょう。

「いただきます!」の作品を読み、ディスカバーニッケイの仲間と感想を共有してください。コメントの書き込みも大歓迎です!

「いただきます!」への提出作品を読む >>

(「いただきます!」企画への投稿は締め切りましたが、ディスカバー・ニッケイのジャーナルセクションへの投稿は、引き続き受け付けています。ジャーナルの投稿ガイドラインに従って、あなたのストーリーをお寄せください。)

参加刊行機関について

投稿された原稿の掲載を予定している刊行機関は下記の通りです。

貴刊行物への「いただきます!ニッケイ食文化を味わう」 の投稿記事を掲載ご希望の方は、下記メールアドレスまでご連絡下さい。
Editor@DiscoverNikkei.org

編集委員

プロジェクトにご尽力いただいた編集委員の皆さんに深く感謝いたします。

また、今回の企画をまとめてくれたパトリシア・ワキダさん、素敵なロゴをデザインしてくれたジェイ・ホリノウチさん、提出現行の校正、編集、掲載、当企画の宣伝活動などをサポートしてくれた素晴らしいボランティアの皆さん、本当にどうもありがとうございます!

en ja es pt

ソーセージとアスパラガス?

タイロン・ナガイ

en ja es pt

焼き鯖弁当としめ鯖寿司

キタハラ 高野 聡美

2

en ja es pt

いただきます! おばあちゃんからの教え

モニカ・小木曽

ja

“おふくろの味”オートミールと親父のおじや

八巻 由利子

en ja es pt

日本の味を、日系人の記憶に残し継承する

カトリーナ・サンギネッティ・タチバナ

ja

かんだばージューシィを探して

八巻 由利子

en ja es pt

Grandma’s PICKLES Story: おばあちゃんのRAKKYOを世界へ発信

後藤 麻美

1

en ja es pt

日本人の底力

アリエル・タケダ

en ja es pt

私のログキャビン・スキヤキソング*

タミコ・ニムラ

ja

わたしが「バイカルチュラル」にいたるまで:日系食文化をとおして学んだ「バイカルチュラル」の意味

郷 崇倫

en ja es pt

おふくろの味:ドナ・シズカのマンジョカのみそ汁

ロザ・トメノ・タカダ

en ja es pt

日系チャプスイレストランとフォーチュンクッキー

中町 泰子

en ja es pt

Authentic (オーセンティック)

バーバラ・ニシモト

en ja

オレゴンで和牛を育てる

今村 亮

en ja es pt

手巻き寿司:ウェルカムホームパーティ

亀山 絵里

1

ja

NIKKEIと料理文化

山本 剛郎

en ja es pt

ブラジルのおかきと“ウメボシ”

木村 直美

2

en ja es pt

お寿司セラピー

ジーン・オダ・モイ

ja

我が家の定番、県民食の鶏料理

福田 恵子

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Grandpa Tanaka's Pilgrim Stuffing

ジェリ・オカモト・タナカ

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Seeking It Out: A Hapa Shin-Nisei’s Grasp at Culture

コモ

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A Japanese-Jewish Family Remains Bonded through Shared Recipes

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The luau stew from Heeia Pier

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Spam: It’s What’s For Dinner. No, Really.

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