長島 幸和

(ながしま・ゆきかず)

千葉市生まれ。早稲田大学卒。1979年渡米。加州毎日新聞を経て84年に羅府新報社入社、日本語編集部に勤務し、91年から日本語部編集長。2007年8月、同社退職。同年9月、在ロサンゼルス日本国総領事表彰受賞。米国に住む日本人・日系人を紹介する「点描・日系人現代史」を「TVファン」に連載した。現在リトル東京を紹介する英語のタウン誌「J-Town Guide Little Tokyo」の編集担当。

(2014年6月 更新)

food en ja

ソーテル物語: 「ジャパンタウン」命名をめぐって

「ちんちくりん」へ

「白人に食べさせたい」

ソーテル通りの広島お好み焼き店「ちんちくりん」

金曜日の夜、ソーテル地区ではなかなか路上駐車のスポットが見つかりません。2度ぐるぐる回った末、やっとラグランジ通りのソーテル通りから2ブロック西にいったところにスポットを見つけ、そこに車を停めて、ソーテル通りまで歩きました。

ソーテル通りまで来て南へ向かうと、両側にはさまざまな店のネオンサインが連なっていました。通りの西側が特に賑わっているように見えました。長い行列のできている店も少なくなく、場所によっては、数軒に及ぶ長い列ができていました。

ミシシッピ通りを渡ると、俄然店の数は多くなります。ラーメン屋、寿司屋、居酒屋、カレー店、豚カツ店、焼き鳥屋などの日本食レストランをはじめ、中華料理店、韓国料理店 ...

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community en ja

ソーテル物語: 「ジャパンタウン」命名をめぐって

淡々と事業続ける「ハシモト・ナーセリー」の橋本陽太郎さん

ウエスト・ロサンゼルスの一角、ソーテル地区。その一帯が2015年に「ソーテル・ジャパンタウン」として市の認定を受け、標識がソーテル通りとオリンピック通りの角に設置された。ソーテル地区は長年「リトル・オーサカ」として親しまれてきたが、近年日本人や日系人が経営する商店やレストランが増えたことを踏まえて「ジャパンタウン」と命名されたものだ。市の認定に向けて地元の人たちはジャパンタウン推進団体を組織して活動、認定に喜びの声を挙げている。

しかし、「ジャパンタウン」と命名されてもこれまでの事業に大きな変化はないと、淡々と事業を続けているところがあるのも事実だ。同地区最古のナーセリー、今年で営業88年になる「ハシモト・ナーセリー ...

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culture en ja

伝統的刺青を広めたい ~在米日本人彫師、彫巴さん~ その2

その1を読む>>

アメリカへ

それからほぼ4年後、彫師としての修業も順調に進み、経験も積んできて、さて、これから先、自分はどのようなことをしているだろうと考えてみた時、ふと、15年後の自分の姿が見えたのです。彫師としての経験を積んでいく中で、刺青を取り巻く環境や、刺青に関しての日本社会の仕組みなどを、以前よりはるかによく理解できるようになったこともあります。そうした社会で彫師を続けている自分の姿。それは、かなり鮮明な映像でした。

「15年後の彫師の私は、正直言って、あまり好ましいものではなかったんです。そのころ、日本がやけに狭く、そこで生活していくことが息苦しく感じるようになっていたせいかもしれません。精神的にもよくない状態になっていました。それで ...

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culture en ja

伝統的刺青を広めたい ~在米日本人彫師、彫巴さん~ その1

ここに一冊の本があります。「MonmonCats」と題された英語の本です。さまざまな日本的デザインの刺青を施された猫の絵が118ページにわたって展開されています。著者は、現在カリフォルニア州サンノゼで刺青の彫師として活躍している三重県出身の彫巴(ほりとも)さん。「もんもん(紋紋)」が刺青の別称であることを知らない人は、「何の本?」と訝しがるかもしれませんが、この本には彫巴さんの、彫師としての信条が詰まっていると言っていいでしょう。出版元は、彫巴さんが現在在籍しているタトゥー・スタジオ「State of Grace」、出版は2013年。彫巴さんが渡米して6年後のことですが、彫巴さんはどうしてこの本を出版するようになったのか。そこに ...

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identity en ja

刺青の「真実」に生かされて ~ 島田淳子さんへの書簡 ~

この一文を、先日お店にうかがった時に話していただいたことを、私なりにもう一度咀嚼しながら、そして、私の印象も付け加えながら、したためていこうと思います。私はあなたの話にとても勇気づけられました。たまたま私自身が個人的なことで沈んでいたせいだったかもしれません。それでも、あなたの話に、私のように勇気づけられる人が必ずいるでしょう。そういう人がひとりでもいることを願いながら。

まず、なんと言っても、あなたに話を聞く前に、私の中に刺青に関するいろいろな疑問がくすぶっていたということを申し上げなければならないと思います。

人はなぜ刺青を入れるのだろうか、何が刺青を入れることを決心させるのだろうか、女性の場合は男性と異なる動機があるのだろうか。そうした疑問を抱いたということ自体、私がどれだけ刺青のことについて無知であるかを証明するようなものかもしれませんが、それでも、全米日系人博物館が刺青展に合わせて作成したブックレット「パーシビアランス」にあなたが書いた文章を読むにつけ ...

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