ジョー・ウォコスキ

(Joe Wocoski)

コネチカット州ハートフォードに1952年に生まれる。1973年にコネチカット大学にて学士号取得後、1975年にハートフォード大学にて経営学修士取得。企業の品質保証に長年携わっており、2013年と2014年にはボールドリッジの品質検査官(Baldrige Examiner)を務めた。2016年4月に退職し、現在は作家としての活動に従事している。著書として “The King James Bible” と “Shakespeare Sonnets” をもとにまとめたシークワーズのシリーズ本があげられる。2015年に短編小説を書き始め、2016年4月にリトル東京ショートストーリーコンテストで最優秀作品賞を受賞。現在は、初のSFファンタジーの短編小説を執筆中で、moniker JB Wocoskiの名のもと出版予定である。

(2016年9月 更新)

community en ja

イマジン・リトル東京ショートストーリー・コンテスト III

最後の碁の名人

これは、羅府新報の最終版に載った記事である。

「最後の碁の名人、カズキ・ツクヨミは、2185年8月11日の皆既月食を待っていたかのように、同夜、リトル東京の最後の残骸と共に静かに世を去った。享年124歳であった。この日20年にも亘った全米日系人博物館をめぐる法的争いは終った。博物館は、リトル東京の日本人にとって最後の聖なる文化的アイコンだった。悲しいことに、ツクヨミ氏の死後数日後には、自動式ドローンの新しい格納ポートを作るために、博物館の展示品はすべて撤去され、博物館は市によって取り壊されてしまった。しかし、彼の命日は、皆既月食と名人の死と同時に起こった地震のおかげで、いつまでも人々の心に残る日となった」

始まりは2156年の夏であった。非営利団体である全米日系人博物館の文化委員会は、なんとかして博物館が解体されるのを阻止しようと懸命になっていた。しかし ...

続きを読む