ハワイ1 に根づく日系宗教 南国の楽園ハワイはよく知られている通り、多くの日系人が居住し、日系の文化が根づいている土地でもある。例えば、毎年正月にはたくさんの人々が初 詣のために神社を訪れ、毎年5月のメモリアル・デー(戦没者慰霊の日)にオアフ島のアラモアナ・ビーチで行われる真如苑主催の灯籠流しには、3万人をこえ る人々が集まる。また、夏には毎週末どこかの寺院で盆踊り(ボン・ダンス)が催されるなど、日本の伝統行事がハワイの風物詩となっている。それらの行事に は、日系人だけでなく多様な民族の人々が参加しており、日本から渡った宗教文化が、ハワイのローカルの文化として定着しているといえよう。
ハワイでは数多くの日系宗教教団が布教活動をしており、さながら日本の宗教の見本市のような状況である。ハワイの日系宗教は、日本からの移民の流れ を追って布教を開始し、古くから活動している教団は1世紀近い歴史をもっている。近年、いくつもの教団がハワイでの開教100周年を迎え、それを祝うさま ざまな行事が催された。本稿では、各教団のハワイ開教100周年の行事について、現在それらの教団が直面しているハワイ布教の課題についても少々述べてみ たい。
各教団のハワイ開教100周年
21世紀に入り、次々と日系仏教教団が開教100周年を迎え、各地で盛大な祝賀行事が挙行された。それでは、日本の新聞2でも取り上げられた…