嶋沢 裕志

(しまざわ・ひろし)

1955年山口県生まれ、慶応義塾大学文学部卒、日本経済新聞社入社、流通業界の取材経験が長い一方、北九州支局長、静岡支局長、「日経グローカル」編集長などとして地方問題の取材を重ね、2010年から生活情報部編集委員に。2015年から現職。60歳。著書(いずれも共著)に「エコノ探偵団」(日本経済新聞社)「絆の風土記」、「もう東京はいらない」(日本経済新聞出版社)など。

(2015年9月 更新)

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書評「大和コロニー フロリダに『日本』を残した男たち」 川井龍介著 

「なぜ、こんなところに日本人が?」。最近、そんな意外な発見に焦点を当てたテレビ番組が人気だ。鎖国が解かれた後、「新天地」を夢見て、あるいは貧困から抜け出すために海外へ移住した日本人はおびただしい数に上る。ただ、ハワイやブラジル、米国本土のカリフォルニア、テキサス州などへの移住は比較的知られているが、一般に日本社会は「外へ出て行った人」たちに関心が薄かった。歳月の中で忘れ去られた移民は少なくない。

本書は、20世紀初めから米国のフロリダ州に「大和コロニー」という日本人入植地が存在した、知られざる歴史に迫ったルポルタージュ。筆者は毎日新聞を退社後、1980年代半ばにフロリダ州の地方紙で取材生活を送ったが、その後、運転中にたまたま発見した ...

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