中牧 弘允
(なかまき・ひろちか)
東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。文学博士。日本学術振興会奨励研究員を経て、1977年より国立民族学博物館のスタッフとして研究活動を続ける。現在は、民族文化研究部教授として、日系宗教・会社宗教などの人類学的な研究、ブラジル・アマゾンのシャーマニズム研究、カレンダー文化の研究などをおこなっている。
(2007年8月 更新)
この執筆者によるストーリー
民博特展 「多みんぞくニホン」 - ミュージアム展示にみる日本人の海外移住
2007年8月23日 • 中牧 弘允
近代における日本人の海外渡航は幕末からはじまった。移住を目的とする渡航について言えば、出稼ぎから定住へとおおきく推移していった。いまでこそ デカセギといえば南米の日系人が日本に来てはたらくことをもっぱら指しているが、かつては冬のあいだ雪国から都会に出て労働に従事することや、海外で一旗 揚げることが、出稼ぎの部類に属していた。そして海外では出稼ぎのつもりがいつのまにか定住にかわってしまうこともめずらしくなかった。最近では、デカセ ギの日系人が日本での定住ないし長期滞在をかれら…